月刊バスケットボール5月号

東海大付諏訪vs.福島東稜の男子2回戦は1点差で決着!【インターハイ2021】

 

 ともに1回戦を快勝で突破してきた東海大付諏訪(長野)×福島東稜(福島)の2回戦は、期待どおりの熱戦となった。

 

 1Q、まず流れをつかんだのは福島東稜。前からディフェンスに当たって相手のリズムを崩すと、攻めては大黒柱の#14ンモヌ・チソン・フランクリンが力強いプレーで得点を量産。最後はキャプテン#65吉田柊一のバスケットカウントで締め、1Qを終えて20‐13と7点リードとする。

 

 

 しかし2Qになると諏訪が反撃。#3中川知定真が開始早々にハイポストから決めて5点差にすると、#18大内歩夢が飛び込みリバウンドに奮闘して流れを引き寄せる。ディフェンスでは#14フランクリンにダブルチームを仕掛けて仕事をさせず、さらには#14髙山鈴琉を起点に#8仁藤優貴が3Pシュート、#33本藤生蕗がバスケットカウントを獲得して逆転。

 

 

 ただ、対する福島東稜も激しいディフェンスから#0多田優次朗が2連続でスティールに成功し、#7髙橋楽のドライブなども続いて再び流れを立て直す。結局、37-37の同点で前半を折り返した。

 

 

 勝負の3Q。まずは諏訪が連続得点で突き放しにかかるが、福島東稜も要所で#7髙橋が3Pシュートや速攻を決めて食らい付く。それでも諏訪は、小気味良いパス回しから#3中川が4本の3Pシュートを決める大爆発。ベンチも大いに沸く中、7点リードして最終Qへ。

 

 追い付きたい福島東稜は#14フランクリンを軸に着実に加点。しかしファウルがかさんで思うようにリズムに乗り切れない。それでも#0多田の3Pシュートや#14フランクリンのバスケットカウントで追い上げを図るが、#14髙山がアシストをさばいて周りを生かす諏訪を止められない。

 

 

 福島東稜は#14フランクリンのシュートや#65吉田の3Pシュートで残り2分、82‐83と1点差に詰め寄ったものの、その後は激しい守り合いとなって両チームともに無得点。そのまま諏訪が1点差で逃げ切り、山場の2回戦を突破した。

 

 #14髙山や#3中川ら下級生が柱となっている諏訪は、1点差の白熱したゲームを制して価値あるベスト16進出。続く3回戦ではベスト8を懸けて近畿王者・洛南とぶつかる。注目の一戦となりそうだ。

 

 一方、「フランクリン以外の4人は昨年まで試合に出ていないメンバー。東北大会もなくなり、試合経験を積めないコロナ禍での強化はすごく難しかったです。選手は本当によくやったと思います」と福島東稜・小田島誠コーチ。キャプテンの#65吉田も悔し涙で目を赤くしながら、「フランクリンのインサイドや周りのドライブなど、全国でも通用するところはありましたし、まだまだ上にいけると思いました」とコメント。経験の浅いメンバーながら全国でも一歩も引けを取らない戦いぶりを見せたことを自信に、さらなるレベルアップを図りたい。

 

取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

写真/石塚康隆

 

(月刊バスケットボール)



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