月刊バスケットボール5月号

鳥取城北vs.西海学園は大会最初の延長戦に!【インターハイ2021】

 

 鳥取城北(鳥取)vs.西海学園(長崎)の男子1回戦。鳥取城北は2大会連続2回目の出場、西海学園は2011年以来2回目の出場と、実績面では大きな差がない。また、両者ともに激しいディフェンスから走って得点につなげるのが持ち味ということからも、試合前から接戦になることが予想された。

 

 試合は、序盤からアップテンポなバスケットの応酬となり、お互いに一歩も譲らぬ接戦に。それでも試合中盤、先に抜け出したのは西海学園。#9ジャンバルボ海斗の力強いバスケットカウントなどで前半を終え8点のリード。その後、3Qの出だしでさらにそのリードを広げていく。

 

 

 だが、鳥取城北も堅いディフェンスで相手のミスを誘い、攻めては息の合った連係プレーで#6谷口諒や#4松田大河らが得点。3Qを終えて2点差まで迫っていく。その後、なかなか逆転の1本が出ず、エース#5河本夢司がファウルアウトするなど苦しい展開となったが、大黒柱#99オットゴンバードル・スフバットらが得点やリバウンドに体を張って耐え忍ぶ。すると4Q残り2分、#6谷口の3Pシュートなどで79-79の同点に追い付いた鳥取城北。結局81-81でオーバータイムへ突入した。

 

 緊迫感に包まれた延長戦、西海学園が#12小田代天や#14徳永将大の速攻などで先手を打つが、鳥取城北は#4松田のスティールからの速攻、控えの#10濱本椋のシュートで、残り3分を切って逆転に成功する。

 

 

 しかしここから再逆転に成功したのは西海学園。#12小田代が足をつりながら渾身のシュートを決めると、追い討ちをかけるように#14徳永が速攻で加点。最後の最後でオフェンスが沈黙した鳥取城北を尻目に、西海学園が91-86で逃げ切った。ディフェンスからの速攻や飛び込みリバウンドなど最後まで運動量を落とさず自分たちのバスケットを貫いた西海学園は、続く2回戦で昨冬の優勝校・仙台大明成(宮城)と対戦する。勢いに乗ってぶつかりたいところだ。

 

 

 一方の鳥取城北は、#6谷口が3Pシュート7本を含む37得点、#99スフバットが13得点13リバウンドと奮闘したが、競り勝つことはできなかった。「本来ならタイムシェアをして戦うのですが、今日は(接戦で)なかなかそれができず、それが最後に響いたかなと思います。それでも選手たちがやるべきことを徹底してくれて追い付けました。悔しいですが、最後まで粘ってくれたのは成長かなと思います」と選手を評していた河上貴博コーチ。キャプテンの#4松田は「大事なところでミスをして…。自分のせいで負けたと思います」と試合後もしばらく涙が止まらなかったが、この悔しさを冬の戦いの糧としたい。

 

 

○取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

○写真/石塚康隆

 

(月刊バスケットボール)



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