月刊バスケットボール6月号
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西岡 里紗
C/186cm/三菱電機 コアラーズ
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[東京2020 3x3 女子日本代表の横顔]

大きくても走れるという強みを生かしたい

 

 奈良県に生まれ、小学校でバスケットボールを始めた西岡里紗。樟蔭東中時代には全国中学、ジュニアオールスターに出場。大阪桐高時代にはチームをインターハイ初出場に導くと同時にベスト16へ進出する活躍。また国体少年の部でも3位となるなど実績を積んできた。U16アジア選手権(2013年)、U17世界選手権(2014年)、U18アジア選手権(2014年)と各年代の日本代表にも選出されている。赤穂さくら(現デンソー、昭和学院高卒)とともに高校界を代表するビッグセンターとして活躍した西岡は、その後Wリーグにおいても存在感を発揮。三菱電機の守護神としてリング下を堅く守り、安定したリバウンドとパワープレーで貢献。さらにミドルシュートも得意とするなど大車輪の働きを見せている。そうした西岡の特性は3x3でも生かされていて、優勝を飾った2 0 1 9 年のFIBA3x3U23ワールドカップでは、ノーマークとなった西岡が放ったジャンプシュートが日本の勝利につながった。

 5月のオリンピック予選を振り返って、西岡は次のように語っている。「日本チームの中で私は一番身長が高く、フィジカルも強く、それが強みだと自分でも思っています。大きな相手に対してのディフェンスや、大きくても走れるという強みを生かそうと練習してきました。ちょっと納得のいかない内容で終わってしまいましたが、オリンピックではなく予選で課題が見つかったことは、自分の中ではよかったと感じています」。

 その納得のいかない内容とは? 「U23ワールドカップでは2Pシュートが結構入って、そこがチームに貢献できたところだったのですが、今大会は1本も決められなかった」。5人制で大車輪の活躍を見せる西岡だが、より多くの仕事量が求められる3x3で自分の持ち味を発揮できなかったことに、西岡は悔しい思いを抱いているのだ。「このままではメダルには届かない。今、この瞬間にも対戦相手は成長しているという気持ちを忘れず力を合わせて頑張っていきたい」。

 西岡は、ここまでともに戦ってきた仲間たちへの思いをこめて次のように語った。「3x3のメンバーは皆それぞれ個性的。その個性が組み合わさって試合でどう生かされるのか、そこをぜひ見てほしい」。コンパクトなコート、そして10分間という限られた時間の中で3人の個性がひしめき合い一つのゴールを目指す。西岡自身もまた、日本チームを象徴する個性を色濃く放っている。

(村山純一/月刊バスケットボール)



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