月刊バスケットボール5月号

【Vol.3】Shoes Review AIR JORDAN 11 LOW

シューズレビュー2回目は、マイケル・ジョーダンの11作目、「AIR JORDAN 11 LOW」。このモデルは2種類の形が存在する、今回レビューする、パテント素材をアッパーに配したモデルと、アッパー部分が繰り抜かれたパターンのモデルだ。発売当時のジョーダンは現役最盛期を迎えた頃で、シーズン72勝を記録した際の着用モデルでもある。 体育館で2時間ほどの練習、3回程度着用、10項目でシューズの機能を考察/検証、所有者の身体、身体能力など、履き心地など個人差がありますので、あくまで参考程度にとどめておいてください。  

    ・フィット感 6/10 -アウトソール中足部のシャンクプレートや、アッパーのパテント素材でどうしても最初は硬く感じるので足にフィットするまでは回数や時間がかかるだろう。シュータンもMIDモデルほどではないが、履いているうちに下にずり下がってきてしまう。 ・ホールド性 6/10 -紐をしっかり締めないと、かかとが抜けてしまう感触がある。ただ、着用回数/時間が増えてくるとアッパーのパテントも適度に柔軟性を持ち、足に馴染んできた印象。 ・トラクション&トランジション 6/10 -縦方向への走りやすさは問題ないが、サイドステップ、横方向への動きには不安あり、シューズが全体的に硬めのチューニングなので、全体的に足に馴染むまではこの評価。 ・クッショニング 前足部8/10 後足部9/10 -JORDANシリーズはその当時の最新機能を搭載することが多く、発売当初から20年近くたった今でもクッションに不安はあまりない。 ・前足部:代名詞でもある「AIR」をしっかり感じられる適度なクッション性。 ・後足部:前足部同様、程よく「AIR」を感じることができ、着地時の衝撃を和らげてくれる印象がある。  

    ・軽量性 6/10 -アッパー全体のパテントや、がっしりとしたアウトソールのため、LOWカットモデルの中では重いと感じてしまうシューズである。 ・グリップ 7/10 -前足部と後足部の中央に配置されたヘリボーンパターンはコートとの接地でグリップを発揮するが、ヘリボーンパターンを囲うようなアウトソールが横方向への動きの中でスリップする感覚がある。  

    ・通気性 5/10 -アッパー全面のパテント素材はほぼ通気性はないと感じた、シュータン部分にかけてのメッシュ素材や、ライニングも汗を吸う素材なので、湿度の高いところでの練習などではどうしても蒸れると思われる。 ・耐久性 8/10 -ソールのヘリボーンパターンも全体的に太く、アッパーも最初は硬いが、耐久性を考えれば簡単にはヘタラない印象がある。ただし、着用後のメンテナンスをしっかりしないとパテントがひび割れたり、アッパーのメッシュ部やライニングが汗を吸収しすぎてしまうことも。  

    ・屈曲性 6/10 -ソールの中足部に配置されたシャンクプレートにより過度のネジレは防止されている。着用頻度が上がれば、ある程度の屈曲性は感じられるものの最新のシューズと比べるとやはり硬いと感じてしまうだろう。  

    ・補足:JORDANシリーズにいえることだが全体的に足幅はやや狭め、前足部も広くは取られてはいない、中足部(土踏まず)は狭すぎず、広過ぎない印象、甲(高さ)も少し引くめの設計と感じた。幅広、甲高の足型ならばハーフサイズアップしたほうが足馴染みはいいかもしれない。  

    合計 67/100 20年近く前の復刻モデルのため、点数は厳しめになってしまったが、ジョーダンの現役時代を思い出すと点数を差し引いてもぜひとも着用したいモデル。個人的には歴代バスケットボールシューズのデザインの中で1、2を争うほど好きなモデル。 レトロモデルのため、部活向けではないかもしれないが、そのシンプルなデザインはコートの中で目を引くこと間違いなしだろう。            

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