月刊バスケットボール6月号

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2021.07.22

ダンクも一撃決めたい – 女子バスケアメリカ代表グライナー語る

リオオリンピックでのグライナー(写真/©fiba.basketball)

 

身長206cmのスラムダンカー

 

 東京オリンピックの女子バスケットボールで7大会連続の金メダルをねらうアメリカ代表のブリトニー・グライナーは、アメリカの女子プロリーグWNBAのフェニックス・マーキュリーに所属し、ダンク本数リーグ歴代1位の13本成功という記録を持つプレーヤーだ。今年5月29日の対ダラス・ウイングス戦では、アメリカ代表のチームメイトでもあるスカイラー・ディギンズ-スミスから左ベースライン近くでパスを受け、ゴールに向かって大きな一歩を踏み込んでガツンとぶち込んだ。

 

 長身なだけでなくしなやかな身のこなしとボールへの反応が素晴らしく、日本にとっては強大な脅威。高さを大きな武器として、ベイラー大学時代も、WNBAでもチャンピオンの座についている。高校時代には、1試合で何と7本ものダンクを成功させたことがあるそうだ。

 

 リオオリンピックで日本代表と対戦したときには、13分30秒と出場時間が短かった中で、フィールドゴール4本中3本を沈めて6得点したほか、7リバウンド、3ブロックと高さをいかんなく発揮した。日本代表が最大の挑戦と捉えている世界の高さへの対策は、言ってみればグライナー対策のようなもの。グライナーは、日本の女子プレーヤーたちが国内ではまったく経験することができないスケールのプレーで、この対戦を支配しようとしている。

 

 7月21日に行われた女子アメリカ代表の来日後最初のズーム会見に、グライナーも登壇した。これまでに、マーキュリーの試合や練習時のズーム会見で何度か質問をさせてもらったことがあったが、グライナーは常に朗らかな対応をしてくれていた。この日は少し疲れもあったようだったが、「日本のファンはあなたのダンクを楽しみにしていると思います」と伝えると、笑顔で以下のように回答してくれた。

 

 「ありがとうございます。(こちらについてから)少しずつ慣れてきて、いい感じで過ごしていますよ。毎年海外に行っていることもあってか、時差にひどくやられちゃうこともなくて。(ダンクは)ぜひ1本決めたいですね! 叩き込みたいと思っています。それは目標です。2番目の目標はダンクを1本決めること、叩き込むことです」

 

<グライナー本人の英文回答>

Thank you for that. I’m doing good, kind of used to it you know. Going oversea every year, so the time change isn’t really affecting me too much.

I definitely wanna give one, definitely wanna throw one down. It’s my goal. It’s like my second goal is to give one and throw one down.

 

ズーム会見に登壇したグライナーは、「ようこそ日本へ」と声をかけるとにこやかな笑顔を返してくれた(写真/©USA Basketball)

 

 個性的なロングドレッドにタトゥー。コート上でグライナーがボールを追いかけ躍動する姿は、バスケットボール・プレーヤーとしてだけでなく、一人の人間として生きる力の強ささえ感じさせる。ファッションモデルのようないでたちでメディアに登場する姿は尖った雰囲気を感じさせるが、声をかけてみると朗らかな性格と前向きな姿勢が伝わってくる。

 

 彼女がどのようなパフォーマンスを見せるかは、アメリカ代表の戦績にも直結する要素だろう。ダンクはガンガン見せてほしい。ただしできれば、相手は日本代表以外で願うとしよう。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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