月刊バスケットボール5月号

【インターハイ2021/男子展望】有力校は多数も蓋を開けてみなければ分からない。デッドヒートの予感

中部大第一(愛知①)

 

 各都道府県予選を勝ち上がった全54校が覇を競う男子。コロナ禍の影響で各地区のブロック大会や交歓大会などの中止が相次ぎ、それぞれのチームの力関係が不透明な点が多いのが実情だ。

 

 その中でも上位進出有力校と目されているのが、中部大第一(愛知①)帝京長岡(新潟①)仙台大明成(宮城)の3校。このうち中部大第一は、予想スタメンの平均身長が194.4cmと規格外のサイズを誇る。また、帝京長岡は北信越ブロック大会を制し、地元・長岡市での開催に向けて熱のこもったプレーを見せるはず。そして、昨年のウインターカップを制した東北の雄・仙台大明成からも目が離せない。この3校はシード校として、それぞれトーナメント表の左下(中部大第一)、右上(帝京長岡)、右下(仙台大明成)に分かれた。準決勝まで直接対決することはないが、2回戦からの登場ということで、初戦で1回戦を勝ち上がってきた相手にどんな戦いをするかがその後の流れに影響するだろう。

 

帝京長岡(新潟①)

 

仙台大明成(宮城)

 

 この他、強力なライバルを破って夏の切符をつかんだ2チームにも注目だ。そのうちの一つが、京都府予選決勝で東山を破り6年ぶりのインターハイ出場となった洛南(80-72)。そして、福岡第一との大接戦を1点差(77-76)でモノにし3年ぶりに夏の切符を手にした福岡大附大濠。この両チームはともにトーナメント表の左上に位置し、それぞれが順当に勝ち上がれば準々決勝(7月28日)で対決する可能性がある。

 

洛南(京都)

 

福岡大附大濠(福岡)

 

 ここまでに紹介したチーム以外にも、地元・新潟県のもう一校である開志国際、し烈な東京都予選を制した実践学園、粘り強いディフェンスを武器に上位進出をもくろむ前橋育英(群馬)、高い得点力で四国ブロックを勝ち抜いた明徳義塾(高知)ら実力校が多数。それぞれ勝ち上がれば、開志国際は3回戦で中部大第一と、実践学園は3回戦で福岡大附大濠と、前橋育英は準々決勝で帝京長岡と、明徳義塾は準々決勝で仙台大明成と対戦することになる。

 

開志国際(新潟②)

 

実践学園(東京①)

 

前橋育英(群馬)

 

明徳義塾(高知)

 

 また今大会は、7月3日からラトビアで開催された「FIBA U19ワールドカップ」に出場していた選手たちが、チームにうまくフィットできるのかも勝ち上がりを左右するポイントとなるだろう。例えば仙台大明成からはエースの#8山﨑一渉と大型PGの#10菅野ブルースが、福岡大附大濠からは絶対的司令塔の#13岩下准平と注目ルーキーの#8川島悠翔らが選出された。これらの選手たちは大会途中からの参戦となるが、世界と戦いで変化を遂げた各校のエース級の選手たちがどこまでチームに勢いを付けられるのか。この点に注目しながら大会の行方を追うのも面白そうだ。

 

 昨年は開催が中止となったインターハイ。誰もが欲する夏のタイトルを獲得するのはどのチームになるのか。ジャイアントキリングや劇的な展開、手に汗握るクロスゲーム…。それぞれのドラマを紡ぐ激闘は7月25日にスタートする。

 

(月刊バスケットボール)



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