月刊バスケットボール5月号

5人制女子バスケ日本代表東京2020展望&TV放送予定

東京オリンピックに臨む女子日本代表メンバー(写真/松村健人 月刊バスケットボール)


かなえられるか、金メダルの夢

 

 東京オリンピックのバスケットボール5人制女子は7月26日(月)から8月8日(日)まで、さいたまスーパーアリーナで行われる。今大会は無観客開催となってしまったが、gorin.jp(2008年の北京オリンピックからスタートした民放テレビ局によるオリンピック公式競技動画配信サイト)で全試合のライブ配信があり、日本戦に関してはテレビ放送が予定されている。

 

 今大会では、出場権を得た強豪12チームがまず4チームずつ3つのグループに分かれて総当たりのグループラウンドを行う。その後、各チームの上位2チームと、3位の中で成績が上位の2チーム(計8チーム)でノックアウト方式のメダルラウンドへと進む。メダルラウンドでは5-8位の順位決定戦は行われない。グループ分けは以下のとおりだ。

 

グループA: 韓国(19)、セルビア(8)、カナダ(4)、スペイン(3)
グループB: ナイジェリア(17)、日本(10)、フランス(5)、アメリカ(1)
グループC: オーストラリア(2)、プエルトリコ(23)、中国(9)、ベルギー(6)

 

 女子日本代表はFIBA世界ランキング10位で、2016年のリオ大会に続く2大会連続出場。前回大会ではベスト8に進出したが、最終的に金メダルを獲得するアメリカ代表に準々決勝で敗れた。

 

 過去の最高順位は、女子バスケットボールが初めて正式競技となった1976年モントリオール大会における5位。アメリカ代表とカナダ代表を倒したこの大会では、あと1勝できれば銀メダルという大健闘だった。

 

 今大会の女子日本代表はグループBに入っている。FIBA世界ランキング1位でディフェンディング・チャンピオンのアメリカ代表、同ランキング5位のフランス、そして同17位のナイジェリアが同組。このグループBで最低でも1勝、できれば2勝以上して、1位もしくは2位で8強入りを決めたいところだ。


同組の中では好調さが際立つ女子日本代表

 

 ここまでのグループB各チームのウォームアップ経過をたどると、最も順調なのは、実は日本代表かもしれない。金メダル獲得という高い目標を掲げ、迷いなく準備を進めてきた結果、7月に入ってから行われた本番直前のエキジビション・ゲームでFIBA世界ランキング6位のベルギー代表を84-76で下し、同23位のプエルトリコ代表を94-59と圧倒してみせた。

 

アグレッシブなプレーメイクが光る町田瑠唯(写真/松村健人 月刊バスケットボール)

 

 三好南穂(トヨタ自動車アンテロープス)、林 咲希(ENEOSサンフラワーズ)に加えストレッチビッグのオコエ桃仁花(富士通レッドウェーブ)、故障明けの宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)も含め、アウトサイド・シューティングの調子が上がってきていることに加え、課題とされた高さのある相手に対するリバウンドについても、ベルギー代表との試合で一定のメドを示すことができた。高田真希(デンソーアイリス)、長岡萌映子(トヨタ自動車アンテロープス)らのフィジカルなプレー、小気味よくボールを拾う赤穂ひまわり(デンソーアイリス)の奮闘などによるリバウンド力の改善はシューターにとっても大きな助けに違いない。

 

 プレーメイカーの役割を担う町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)、宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)、本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)のスピードは、世界を相手にしても十分武器となりそうだ。また、攻守でフロントラインとバックコートの連係が非常に良い。

 

 最年少の東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)とベテランの馬瓜エブリン(トヨタ自動車アンテロープス)の、フィジカルでしぶといアタックとディフェンス面の貢献も光っている。女子日本代表は、12人全員にプラス評価ができる状態なのだ。

 

決して派手な活躍ではないものの、貴重な貢献をもたらしている馬瓜エブリンと東藤なな子(写真/石塚康隆 月刊バスケットボール)



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