月刊バスケットボール5月号

【TOKYO2020/3x3女子日本代表インタビュー Vol.4】西岡里紗(三菱電機コアラーズ)presented by 日本郵政【気持ちを届ける、想いを託す】

(写真/©FIBA)

 

自国開催にもかかわらず開催国枠での出場を許されなかった3x3女子日本代表は、5月にグラッツ(オーストリア)で開催された世界最終予選に臨み、準決勝でフランスに苦杯を喫するも3位決定戦でスペインを相手に劇的な大逆転勝利を収め、みごとTOKYO 2020の切符を手にした。激闘を戦い抜いたのは馬瓜ステファニー、山本麻衣(ともにトヨタ自動車アンテロープス)、西岡里紗(三菱電機コアラーズ)、篠崎 澪(富士通レッドウェーブ)。4人それぞれが大会を振り返り、東京オリンピックに向けた意気込みを語る。

 

【TOKYO2020/3x3女子日本代表インタビュー Vol.1】馬瓜ステファニー を読む

【TOKYO2020/3x3女子日本代表インタビュー Vol.2】篠崎 澪 を読む

【TOKYO2020/3x3女子日本代表インタビュー Vol.3】山本麻衣 を読む

 

全員で頑張って、バスケ界初のメダルを獲りたい

 

 オリンピック予選(OQT)を終えホッとしたと同時に、自分としては課題も多く、悔しさが残りました。でも今は切り替えて、東京オリンピックの最終メンバーに選んでいただけるよう精いっぱい頑張っています(7月3日に代表内定)。

 

 私は日本代表の中で一番身長が大きくフィジカルも強かったのと、他チームの大きな選手よりも走れるので、ディフェンスでその強みを生かしていこうと思っていました。チームでもスピードを強調して練習してきましたし。納得がいかない内容で終わってしまいましたが、OQTで課題が見つかったのは良かったと感じています。

 

 日本は身長のアドバンテージで攻められることが多いので、自分でもチームでもそこは課題です。私も身長と足、フィジカルを生かしてペイントで攻めたいですね。ディフェンスでは、ピック&ロールに対するコミュニケーションミスからの失点をなくし、監督の指示や自分たちで決めた戦術の徹底力をもっと磨かないといけません。

 

 3人制は攻守の切り換えが速く、リバウンドも1本1本が5人制以上に重要です。ハーフコートに3人しかいないため味方が遠いスポットまで広がるので、ミスマッチに最後まで対応しきれなかったり、カバーしきれないこともあります。その状況でシュートを打たれると、リバウンドでは大きな選手がどうしても有利になるのが3x3ならではの特徴。もし自分が小さな選手とミスマッチになったら、中にいる相手の大きな選手めがけて足を使ってカバーしに行く意識をもっと高めたいです。5人制だと(味方が)近いのですぐにカバーに行けるんですけど、3人制だと遠いところから、カバーする距離が長いんですよね。

 

(写真/©FIBA)

 

 OQTはどの試合も心に残っています。初戦のオーストラリアはこれまで勝ったことがないチームだったし、自分自身久しぶりの対外試合でめっちゃ緊張して(笑)。いざ試合に入ってもなかなかペースがつかめなかったり、けど久しぶりの対外試合で楽しかったり…。フランス戦は、FIBA 3x3 U23ワールドカップ2019でメッタメタにやられて(10-20で敗戦 ※ただし同大会で日本は金メダルを獲得)、私たち皆トラウマになっていた相手だったんですよ。それを払しょくするために頑張ろうと話して臨んだ結果が、あんな感じで僅差の勝負。自分たちがもっと徹底するところを詰めていけば力の差はないと、良い自信がつきました。

 

 私もあのときに比べて成長していると思うんですけど、それをOQTでは出せませんでした。あのときは2Pショットが入って貢献できたんですけど、今回は1本も決められなかったし…。本当に悔しくて、サイズ対策のトレーニングでいつも「クヤシー!!」って声が出るくらい、あの思いは生きています。5人制とはまったく違うほど運動量が多い3x3で、大きい私が動きの遅さをどう克服するか。体力面でも、いかに日本のスピードに自分が合わせていけるかが課題です。人一倍努力しないといけません。

 

 現状では、まだまだメダルに届かないと思います。アメリカやフランス、中国などは完成度も高いので、今回の結果に満足せず頑張ります。今、この時間にも相手は成長していることを忘れずに、練習の1分1秒を大事に。無駄なことをしている時間はないので、何が自分に足りないのか、何が日本のチームに必要なのかを考えながら、全員の力を合わせいろんなコミュニケーションを取って、つらいときには話し合って。チームの雰囲気はとてもいいので、それを継続しながら全員で頑張って、バスケ界初のメダルをオリンピックで獲りたいです。

 

 これを機に、3x3がコロナ禍でも日本に広まっていろんな人に見てもらえるきっかけとなれたらうれしいですね。少しでも皆さんに勇気を与えられるように頑張ります。OQT で3x3を初めて見た、という声もたくさん聞き、スピーディーで切り返しが速くて点差もそんなに開かないのでハラハラドキドキの展開がすごくおもしろいと言ってもらえました。日本はスピードが勝負のチームだし、3x3の魅力もそういうところ。メンバーそれぞれが個性豊かで、それが試合でどう生かされるかも見どころ。今も戦術とかも考えているので、楽しみに見ていてほしいですね。

 

 

西岡里紗 Risa Nisihoka

三菱電機コアラーズ#15/186cm/C/1997年3⽉3⽇⽣まれ(24歳)/⼤阪桐蔭⾼

(写真/©FIBA)

 

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