月刊バスケットボール5月号

自信に満ちた馬場雄大、ワールドクラスの力に期待

 7月16日(木)からの国際強化試合『日本生命カップ2021』で、バスケットボール男子日本代表合流後初戦を迎える馬場雄大(メルボルン・ユナイテッド)が、大会前日の15日にメディア向けのズーム会見を行った。

 

 メディアに対してもファンに対しても丁寧で礼儀正しい対応で知られる馬場は、この日もさわやかな笑顔で画面に登場。東京オリンピックの男子日本代表選出について、「すごく光栄なことですし、(日本代表でプレーするのが)2年ぶりとなるので、その2年を経て自分がどれだけ成長したのかということを、この大きな舞台で表現できるのをすごく楽しみにしています」と話した。「この数年日本のバスケがどう変わってきたかを、世界に対して表現できるのがこの大会。僕たち自身本当に楽しみにしていますし、感謝を忘れずにプレーしていきたいと思います」

 

久しぶりの代表合流を楽しみにしていることが伝わってくる馬場のズーム会見だった

 

 馬場は2020-21シーズンをメルボルンで過ごしたが、その前に2019-20シーズンも、NBAダラス・マーベリックスの下部提携チームであるテキサス・レジェンズで海外経験を積んでいる。「この2年間海外でやってきた経験値と自信がある」という言葉だけでなく、画面から伝わる落ち着きにも自らの成長に対する自信は感じられた。「一緒にプレーするだけでも、今までと違った空気感をもたらすことはできるかなと思っています」

 

 日本国内の試合では中でも外でも、攻めても守ってもスケールの違いを感じさせてきた。筑波大学時代には、先に渡米してジョージ・ワシントン大学の主力としてNCAAディビジョンIで実績を積み上げていた渡邊雄太(トロント・ラプターズ)の活躍を横目に、「いつかは自分も海外で」という思いを聞かせてくれたこともあった。

 

 FIBAワールドカップ2019の対アメリカ代表戦で、チーム唯一の2ケタの得点となる18得点を稼いだ。20得点を挙げた相手のジェイレン・ブラウンに次ぐこの試合で2番目に高い数字。チームとして挙げた得点(45)の40%を一人で奪ったことになる。フィールドゴールは15本中8本成功(成功率53.3%)。3Pショットも4本中2本決めてみせた。ディフェンスではスティールも3本記録している。

 

 「アイツ、やるじゃないか」とグレッグ・ポポヴィッチHCが言ったかどうかまで確認していないが、「馬場はできる」「ワールドクラスだ」と感じたのは、日本のファンや関係者だけではなかったはずだ。フィニッシャーとして、ディフェンダーとしての馬場のポテンシャルを、あの試合で世界が目撃した。

 

FIBAワールドカップ2019の対アメリカ戦で、馬場は自らが世界レベルであることを示した(写真/©fiba.basketball)

 

 馬場はNBLチャンピオンという輝かしい勲章を持って、日本代表に帰ってきた。本人が言葉として使った「空気感」は、「威圧感」と言い換えることができるだろう。馬場の合流とともに、男子日本代表が今日また一歩前進していく。

 

☆男子日本代表今後の国際強化試合予定

 

1) 日本生命カップ2021

会場: サイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)
7/16(金) 日本代表 vs. ベルギー代表

 

2) SoftBank カップ 2021

会場: サイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)
7/18(日) 男子日本代表 vs. 男子フランス代表

 

大会公式サイト(日本生命カップ 2021埼玉大会/SoftBank カップ 2021)
https://akatsukifive-men-2021-saitama.japanbasketball.jp/


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP