月刊バスケットボール5月号

バスケ男子日本代表、堅いディフェンスでイランに快勝!【国際強化試合2021】

#6比江島や#13安藤の活躍もあり

堅いディフェンスを見せた

男子日本代表がイランに快勝!

 

 「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2021 (宮城大会/岩手大会) International Basketball Games 2021 in MIYAGI/IWATE 東日本大震災10 周年復興支援大会」が、6月23日に宮城県のセキスイハイムスーパーアリーナにて開幕した。今大会は6月23~27日の期間、宮城・岩手の両県にて男子イラン代表チームを迎えて3ゲームを行う(岩手大会は6月25、27日に開催)。

 

 東京オリンピックや8月のFIBA アジアカップ 2021を見据え、強化を図っている男子日本代表。2021年3月1日時点の世界ランキングで日本が42位なのに対して、同23位の強敵・イランを迎え撃った。日本が前半を46-32と14点リードで折り返すと、後半もイランの追い上げを振り切り85-57でタイムアップ。3試合のうちの最初のゲームは、日本が快勝する結果となった。

 

 前半から、日本のハードなディフェンスがイランを苦しめた。激しくプレッシャーを仕掛け、1人抜かれても2人、3人と素早いカバーで相手のドライブをシャットアウトする。オフェンスでは速い展開から#6比江島慎のドライブや#13安藤周人の3Pシュートが効果的に決まり、前半を終えて46-32と、日本が攻防にわたって主導権を握った。

 

 後半も日本は激しいディフェンスを継続。ファウルが重なりやや展開が重くなるものの、#14金丸晃輔の2連続の3Pシュートなどで立て直す。#23ギャビン・エドワーズの連続得点の活躍もあり、3Q終了時点で68-43と25点リード。4Qもイランの反撃を振り切り、85-57で試合終了となった。

 

 試合後、「こういう(快勝という)結果になる保証はありませんでしたが、勝利のために40分間、選手たちが一生懸命に戦い続けてくれました」と選手たちをたたえたフリオ・ラマスヘッドコーチ。「ディフェンス面の強化は高く評価していますし、リバウンド面の改善も見られました」と大きな手応えを語るとともに、「今日の結果ですべてが決まるわけではなくて、私が思うに相手(イラン代表)もこのような内容のチームではないので、明日以降は同等な試合内容になってくるのではないかと思います」と気を引き締めていた。

 

 この試合、3Pシュート4本を含む16得点の奮闘を見せたのが安藤(周)だ。特に前半は3Pシュートを3/4の高確率で決め、安藤のシュート直後にイランがタイムアウトを請求する場面が二度もあるなど相手にダメージを与える効果的なシュートに成功。ラマスHCも、この試合で評価できる選手を数名挙げる中で真っ先に名前を挙げていた。

 

 試合後、「今日は迷わずに打とうと決めていたので、それが結果につながって良かったです。ラマスヘッドコーチからもディフェンスの部分でアグレッシブに仕掛けてくれと言われているので、控えから出てチームに流れを持ってこれるようにと自分の中で決めていました」と安藤。また、チームとしてピック&ロールの位置を高め、シュートレンジを広げることを課題としているが、その2点についても「今日の試合ではしっかりできたと思います。今後も遂行していきたい」と言う。「ヘッドコーチからも求められているディフェンスをもっともっとアピールしていきたいですし、シュートももっと積極的に決めていきたいです」と代表のロスター争いについて闘志を燃やしていた。

 

#6比江島慎は激しいディフェンスや巧みなドライブを見せた

 

 また、出だしから攻防で攻め気を見せて16得点を挙げたのが比江島。スティールから速攻を決めるなど、日本らしい戦いを体現して見せ場を作った。比江島は「Bリーグと国際大会は感覚もバスケット自体も違うので慣れる必要がありましたが、そこはチームとしても個人としてもしっかりアジャストできたと思います。FIBAアジアカップ2021予選を経て、相手のディフェンスに対してピック&ロールの使い方や、ただ攻めるだけではなく引いたり緩急を付けて攻めることなどもできるようになりました。ディフェンスの部分も、チームとして前に比べてやれているのではないかと思います」と自分たちの成長を語っていた。

 

 同相手とのGAME2は、6月25日に岩手県の奥州市総合体育館で開催される。

 

○文/中村麻衣子(月刊バスケットボール編集部)

○写真/石塚康隆



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