月刊バスケットボール5月号

技術&戦術

2021.04.21

【インタビュー】小宮 邦夫氏(D-EQUIPOコーチ)が語るプロになって再認識した基本の大切さ。U15/U12でも分かる「スペーシング」とは?①

【スペシャルインタビュー①】

 

 高校からトップリーグまでエリート街道まっしぐらだった小宮氏。しかし、アイシン(現Bリーグ三河)に移籍した際、細かなバスケットボールのスキルを要求されるようになり、『非常に大変だったですし、時間もかかりました』(小宮氏)というほど、ファンダメンタルの重要性を再認識。それが今日のアンダーカテゴリー指導のベースにあるという。できるだけ早い時期から教えたいことに“スペーシングの理解”を挙げる小宮氏に、スペーシングとは何かを聞いた。

 

「すぐにできるようにならなくても、その経験が次のカテゴリーで生きる」(小宮氏)

 

【“リングに寄らないスペースの使い方”というものが必要になってくる】

 

――アンダーカテゴリーであるU15やU12などでは当然、ファンダメンタルが重要ですが、個人のスキル以外に知っておいた方が良いことは何でしょうか?

「シュートを決める切る力がないと成り立たないことですが、プレーヤーは“スペーシング”というものを知っておく必要があると思っています。これにはさまざまなパズルがあり、プレーヤーがそれをどのようにしてクリアしていくのか、頭を使っていくのです」

 

――バスケットボールはオフェンスもディフェンスも根本的にボールを中心にいろいろなことが起きます。

「ボールを持っているチームメイトが何をしたいのか、を感じることが必要です。分かりやすく言えば、『ボールを持っている人は王様』なのです(笑)。周囲は、王様に合わせてどうやって気持ち良くプレーさせてあげることができるのかを考えなければなりません。プレーヤーには簡単に説明しています(笑)」

 

――ボールを持つプレーヤーはゲームで1人ではありませんよね?

「そうです。チームのエースではなくても、絶対にボールは回ってきます。そのときは、そのプレーヤーが王様になるのです。この点と点を結び、最後はボールがリングに入れば良いと思っているので、そんなゲームをしてもらいたいですね」

 

――バスケットボールはハーフコートという14×15mという狭い空間に、10人が動いているスポーツです。結構な人口密度ですよね?(笑)

「カテゴリーが上がっていくほど、サイズも体も大きくなっていくので、さらに狭くなっていきます。アンダーカテゴリーでは、みんながシュートをしたい、リングにアタックしたいので、リングに近付きがちです。そこで、“リングに寄らないスペースの使い方”というものが必要になってくるのです。

 オフボールのとき、その場面でのプレーに関係ないのではなく、そこがあるからこそ次のプレーへとつながっていることを知ってもらいたいと思っています。

 私がアイシン(現Bリーグ三河)に行ったとき、その部分に気付かされたということがありました。『ここでパスを展開してくれたお陰で自分が気持ちよく1対1ができた』と思ったのです。こういうことをもっと早い段階のアンダーカテゴリー時代に知っておきたかったですし、知っていればもっと1対1の能力を引き出すことができたのではないか、という自分自身の経験が今の指導につながっています 」

 

――高校、大学時代はスペーシングというものをあまり考えていなかったのでしょうか?

「全くです(笑)」

 

――それは、ずっと王様だったからですか?(笑)

「はい!(笑)」

※②へ続く

 

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(月刊バスケットボール)



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