月刊バスケットボール5月号

女子アンダーカテゴリー日本代表チーム専任コーチに藪内夏美氏就任

 公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)が、女子アンダーカテゴリー日本代表チーム専任コーチを務めてきた萩原美樹子氏(現・東京羽田ヴィッキーズヘッドコーチ)の契約満了による退任を受け、後任として藪内夏美氏との契約締結を発表した。藪内氏はプレーヤーとしてオリンピック出場経験があるだけでなく、指導者としてもWリーグでの指導経験が豊富で、現在は女子日本代表チームのアシスタントコーチも務めている。今後はJBAが目指すアンダーカテゴリーからトップカテゴリーまで 「一気通貫」 の強化体制の実現、ならびに「Japan’s Way」のスタイル継承に向け、未来の日本代表選手の強化・育成の中心として活躍することとなる。

 

写真/©JBA(リリースより)

 

【藪内 夏美 プロフィール】
氏 名: 藪内 夏美(やぶうち なつみ)
生年月日: 1977年7月21日(43歳)
出 身 地: 大阪府堺市
出 身 校: 堺市立福泉中学校 → 樟蔭東高校 → 樟蔭東女子短期大学
保有ライセンス : JBA 公認S級コーチ
就 任 日: 2021年4月1日(※契約期間非公表)
(※東京2020オリンピック終了までは女子日本代表チーム アシスタントコーチを兼任)

 

【主な競技歴】
1995年: 女子ユニバーシアード日本代表 福岡ユニバーシアード第3位
1998~2006年: Wリーグ 日本航空JALラビッツ所属(アシスト王、スティール王、レギュラーシーズンMVP、年間ベスト5等、個人賞多数)
2004年: 女子日本代表 アテネオリンピック出場(10位)

 

【主な指導歴】 ※年次はシーズン表記
2008~11年: Wリーグ 富士通レッドウェーブ アシスタントコーチ/コーチ
2012~13年: Wリーグ 富士通レッドウェーブ ヘッドコーチ
2014年: Wリーグ 三菱電機コアラーズ アシスタントコーチ
2015~20年: Wリーグ 日立ハイテククーガーズ ヘッドコーチ
2018年: 第18回アジア競技大会(ジャカルタ) 女子日本代表チーム ヘッドコーチ(第3位)
2020年: 2020年度女子日本代表チーム アシスタントコーチ

 

■ 藪内 夏美氏 コメント
今季より、アンダーカテゴリー専任コーチに就任しました。まだ手探りではありますが、選手たちも私も根底にあるのは、バスケットボールが面白くて、大好きだということだと思います。選手たちには、さらにその素晴らしさを伝えていきたいと思いますし、逆にバスケットボールが好きという気持ちで選手たちに負けないよう、頑張っていきたいと思います。
いまの選手たちにはいろいろな情報獲得手段もあり、みんなとても上手だと思います。でも、代表というレベルで考えれば、それぞれが持つスキルを 40 分間通して使えるだけの体力、気力が必要ですし、国内で戦うのとは異なる、自分たちよりも大きな外国人選手たちと戦うための意識やスキルの切り替えも重要です。そういったところを自分で気づき、自己解決できる能力、自分で打破していく強さや勇気を、若い選手たちに伝えていきたいです。
日本としての 「一気通貫」 という点では、スキル的な一気通貫とともに、前任の萩原コーチや、それ以前から関わってきた方々、そしてトムさんをはじめとする現在のトップチームの皆さんの思いを伝えていくことも、私の役割だと思います。私自身、指導者としてまだまだ未熟ですが、これからも様々なことを勉強しながら、自分の役割を精一杯果たしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

■ 前・女子アンダーカテゴリー日本代表チーム専任コーチ 萩原 美樹子氏 コメント
アンダーカテゴリー専任コーチに就いた2016年以前を含め、長くアンダーカテゴリー世代の強化育成に携わらせていただきました。その間、多くの皆さんにサポートをいただきましたこと、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
振り返れば、様々なカテゴリーの選手たちとともに世界を目指してきましたが、全国で日々選手たちを指導されている指導者の皆さんに日本の女子バスケットボールが支えられていることを実感した日々でした。大会結果等については、喜びも悔しさもありましたが、上のカテゴリーにつながる選手を一人でも多く育てることが私の役目だと思っていましたし、現在のトップチームに多くのアンダーカテゴリー代表の出身者が名を連ねていることを考えれば、もしかしたら何かしらのお手伝いはできたのかもしれないと思います。
トップチームがオリンピックやワールドカップでメダルを目指すことが現実的な目標となっているいま、日本の女子代表はアンダーカテゴリー世代で身に付けたけたことが、いい形で上の世代につながっています。選手たちには、自分たちが頑張ることが日本の女子バスケットボールの基盤となっているとの自覚をもって、これからも取り組んでほしいということを専任コーチとしての最後のメッセージで送りたいと思います。
私自身はこれまでとは違う立場となりますが、微力ながら、引き続き日本の女子バスケットボールの発展をサポートしていければと思います。


(月刊バスケットボール)



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