月刊バスケットボール6月号

コービー・ブライアントの殿堂入りプレゼンターはマイケル・ジョーダン – 日本時間5.16殿堂入り式典プレゼンターが決定


ネイスミス記念バスケットボール殿堂はアメリカ時間4月15日(日本時間16日)、2020年度の殿堂入り式典でプレゼンターを務める顔ぶれを発表した。
あらたな殿堂入り該当者と同じく、プレゼンターにもバスケットボールの歴史に偉大な足跡を残した人物が並んでいる。プレゼンターの人選はあらたに殿堂入りする該当者(他界している場合にはその家族)の指名を受けて決定された。以下、殿堂入り該当者とともに紹介する。

 

☆2020年度殿堂入り該当者9人とそのプレゼンター

※左が殿堂入り該当者、右がプレゼンター(カッコ内は殿堂入り年度)

 

パトリック・バウマン: ラス・グラニック(2013)、ブラデ・ディバッツ(2019)
FIBA(国際バスケットボール連盟)事務総長だったバウマン(2018年10月13日に51歳で逝去)のプレゼンターは元NBAの副コミッショナーのグラニックと、旧ユーゴスラビアおよびセルビアのバスケットボールの発展に寄与しNBAでも活躍した国際派のディバッツが務める。

 

コービー・ブライアント: マイケル・ジョーダン(2009)
ブライアント(2020年1月26日に41歳で逝去)はロサンゼルス・レイカーズで優勝5回、NBAオールスター選出も18回を数える輝かしい足跡を残したが、ジョーダンはその過程で多くを学び刺激を受けた兄のような存在として知られている。

 

タミカ・キャッチングズ: アロンゾ・モーニング(2014)、ドーン・ステイリー(2013)
キャッチングズはWNBAで10回オールスターに選出され、オリンピックで4つの金メダルを獲得したが、ステイリーとは2004年のアテネ大会時のチームメイト。モーニングは「意欲の源になった人」として尊敬する存在に挙げた人物。

 

ティム・ダンカン: デイビッド・ロビンソン(2009)
NBAオールスター選出15回、NBAファイナルMVP3回のダンカンにとってロビンソンは、サンアントニオ・スパーズにおけるビッグマンの先輩にあたる。スパーズの強豪としての歴史の礎を築いた盟友とも言える。

 

ケビン・ガーネット: アイザイア・トーマス(2000)
NBAオールスター選出15回、オールNBAディフェンシブ・ファーストチーム選出9回のガーネットが、シカゴで過ごした高校時代に強く激励を受けた人物として挙げるのが、そのシカゴ出身のNBAレジェンドであるトーマスだ。

 

キム・マルキー: マイケル・ジョーダン(2009)
マルキーはベイラー大女子チームをNCAAチャンピオンに3回導いたコーチで、ジョーダンとは1984年のロサンゼルスオリンピックでそれぞれ女子・男子アメリカ代表として、金メダルを獲得した縁がある。

 

バーバラ・スティーブンズ: ジノ・アウリーマ(2006)、マフェット・マグラー(2017年)
NCAAディビジョンIIで年間最優秀コーチ賞を5回受賞したスティーブンスのプレゼンターを務めるアウリーマ(コネティカット大HC)とマグラー(元ノートルダム大HC)は、ともに女子カレッジバスケ界の名将として知られている。

 

エディー・サットン: ジョン・カリパリ(2015)、ビル・セルフ(2017年)、シドニー・モンクリーフ(2019)
NCAAで年間最優秀コーチ賞を4回受賞したサットンは残念ながら2020年5月23日に84歳で逝去。プレゼンターはカレッジバスケ界の名将であるカリパリとセルフ、そして教え子のモンクリーフが務める。

 

ルディ・トムジャノビッチ: カルビン・マーフィー(1993年)、アキーム・オラジュワン(2008)
トムジャノビッチはNBAのヒューストン・ロケッツで1994年、95年に連覇を達成している。オラジュワンはそのときの立役者であり、マーフィーはトムジャノビッチが現役時代にロケッツでチームメイトとしてプレーした仲。

 

 今回の式典は本来であれば昨夏に行われる予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミックにより延期となっていた。式典が行われるのは日本時間5月16日(アメリカ時間15日)。会場はコネティカット州アンカスビルにあるモヒガン・サン・アリーナで、パンデミック下ではあるものの、プレゼンターを含めレジェンドたちが50人以上出席する予定だという。
プレゼンターは場内で着席している殿堂入り該当者を舞台で出迎えたり、あるいは着席している場所から舞台に向かう該当者を途中からエスコートして登壇し、その後のスピーチに付き添う役目を負っている。今回の殿堂入り該当者の中でブライアント、バウマン、サットンの3人は故人。過去の例ではそのような場合、功績や人となりの深い紹介をプレゼンターや近親者らが執り行っている。
殿堂入り式典では毎年、過去を振り返る楽しい思い出や偉大なる先人たちに向けられた敬愛の思いを表すエピソードが語られる。今年も心の動く式典になることだろう。

 


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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