月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2021.03.29

アジャストするも時遅く3連覇を逃した宇都宮ブレックスU15【B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2021】

 2017年に第1回大会が行われたB.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP。昨年は開催されなかったため今回が第4回大会となるが、2018年の第2回大会、2019年の第3回大会を制しているのが宇都宮ブレックスU15だ(2017年の第1回はファイティングイーグルス名古屋U15が優勝)。

 

 3連覇を目指す今年のメンバー(チーム登録15人)は、180㎝台が3人(最長身が185㎝の#21山田悠斗)、170㎝台が8人、160㎝台が4人というスモールサイズ。しかし、スタメンだけでなくベンチスタートも含めた選手全員が走り切る足を持っているのが最大の特徴で、守ってはハードなディフェンスで相手にプレッシャーをかけ、攻めては小気味いいパス回しからスキを見てのドライブ、そしてアウトサイドからのシュートと相手に的を絞らせないオフェンスを展開。大会初日(3月28日)に行われた予選リーグ戦ではその持ち味を存分に発揮し、71-34と三遠ネオフェニックスU15に快勝していた(2チームでのリーグ戦だったため1試合のみ)。

 

 そして迎えた本日(3月29日)の琉球ゴールデンキングスU15との準々決勝。開始直後に#12小川蓮央が3Pを決め幸先良いスタートとなったが、その後は琉球U15にスティールからの速攻を連続で許し主導権を奪われてしまう。それでも#16野口真都や#15室橋秀光のジャンパー、#8冷水倭都の技ありシュートなどで1Qを終え12‐21と食らいつく宇都宮U15。だが試合後に宇都宮U15の本谷篤司HCが「ボールマンプレッシャーはできていましたが、相手の個の力が強かったので、抜かれた後のカバーでアジャストできませんでした」とコメントしたように、独特のリズム感で攻めてくる琉球U15の流れを止めることができず、2Q終了時には23‐39、3Q終了時には33‐55とじりじりと引き離されていく。

 

メンバーの良さを引き出すパス回しだけでなく自らも鋭くリングにアタックし続けた#7大谷

 

 それでも4Qになると琉球U15のオフェンスにディフェンスがアジャストし始めた宇都宮U15。そのディフェンスで作った流れはオフェンスにもいい影響を与え、#13塩井陽生や#14根本晃のリング下、#12小川、#7大谷鴻太のドライブ、#9浅川玲の3P、#8冷水のミドルシュートなどで点差を縮めていく。が、追い付くまでには至らず58‐74で敗退。もう少し早く琉球U15のリズムに適応できていれば、と悔やまれる展開だったが、コートでプレーする5人だけでなくベンチから声掛けするメンバーも最後まで一所懸命戦う姿には清々しさがあった。明日(3月30日)は順位決定戦では、心機一転、また宇都宮U15らしさを出して戦ってくれるはずだ。

 

写真/B.LEAGUE

取材・文/髙木希武(月刊バスケットボール)

 

リング下、ジャンパー、3Pと多彩なオフェンス力を見せた#15室橋



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