月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.03.27

ゲイリー・トレントJr(ラプターズ)、トレード直後の意欲を語る

トロントでの成功に強い意欲を見せるトレントJr


ノーマン・パウエルとのトレードで、ロドニー・フッドとともにポートランド・トレイルブレイザーズからトロント・ラプターズに加わったガード・フォワードのゲイリー・トレントJrが、日本時間3月27日(アメリカ時間26日)のフェニックス・サンズとの試合を前にして会見に応じた。
トレントJrはブレイザーズで、ダミアン・リラードとCJマッカラムという非常にダイナミックなバックコート・タンデムとともにプレーしてきたが、今度はカイル・ラウリーとフレッド・ヴァンヴリートという、トロントの町にチャンピオンシップをもたらした強力なガードコンビとともにプレーする。ブレイザーズ時代の経験が大いに生かされそうな移籍であり、「2ガード・セットでやってきたので、自分がどうやって得点に絡むか、何をすれば自分の力が最大限に生かせるかはわかっています」と自信を見せた。「みんなと近しくなり、勝ちが先行するように貢献してできるだけ多く勝ち、良いチームメイトになりたいです」
トレントJr本人の英語での回答は以下のような流れだった。
“You know, coming from two-guard set, knowing where to find my spot to score, knowing my role playing that to the best of my ability. You know I’m coming here to jell with everybody, to try to help them getting on a winning track, win as many games as possible and be a great teammate.”
トレントJrはまだゆっくりと時間を取ってチームの戦術や個々の特徴を話し合う機会が持ててないと言い、攻守の組み立てを学ぶことが自身にもフッドにも最重要事項だと話した。チームに早くなじみたいとの思いは、「くだらない質問などありません。わからないことが出たら何でもみんなに聞きます(There’s no such thing as a damn question. If I’m up with Qs, ask away, you know. Talk to guys.)」という言葉でも表現されていた。
父親のトレントSrは、1995-96シーズンにブレイザーズでデビューして1998年の2月にラプターズに移籍という、今回のトレントJrと同じような道筋を歩いた人物。その父親からトロントについていい話をたくさん聞きいていると言い、記者からの歓迎のメッセージとさまざまな質問を受けて前向き言葉が次々と飛び出した。来シーズンの契約は保証されていないだけに、ここでの成功に期するものもあるのだろう。NBAチャンピオンになったカイル・ラウリーとともにプレーできることについて言葉にできないほどうれしいと語り、ラプターズのチャンピオンシップ・メンタリティーや、バスに「Black lives matter」のスティッカーを貼り出すなど社会的不正を正そうとする取り組みに積極的な点を高く評価しているとも話していた。

 ニック・ナースHCの方もパウエルに代わる得点源として期待している様子で、この日のラプターズでのデビュー戦はスターター起用。ブレイザーズでのトレントJrは今シーズン、41試合に出場して平均15.0得点、2.2リバウンド、1.4アシストのアベレージを残しているが、これがリラード、マッカラムというバックコートの強大な得点源があっての数字であることを思えば、ラプターズでスコアリング・パンチとして開花する可能性も高そうだ。

 

トレードで獲得したトレントJrをナースHCはさっそくスタータで起用した

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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