月刊バスケットボール5月号

3x3

2021.03.22

第6回3x3日本選手権大会ファイナルラウンド、男子はBEEFMAN、女子はXDがともに初優勝

 3月20・21日の両日に渡り、第6回3x3日本選手権大会ファイナルラウンドが新宿住友ビル三角広場を会場に無観客で開催された。

 

 

 男子決勝を争ったのは、平均身長189cm、平均年齢35歳で経験に優るBEEFMAN(高知)と、平均身長178cm、平均年齢22歳と若く今大会勢いに乗るALBORADA(茨城)。
試合はALBORADAが♯13小澤崚の鋭いドライブから先制。しかし、BEEFMANは高さでALBORADAの攻撃を阻んで流れをつかませず、♯7保岡龍斗のコートを縦横無尽に駆けるプレーや♯5湊谷安玲久司朱のゴール下などで連続得点を重ねて優位に運ぶ。試合時間の10分間を通じてその形勢は変わらず、BEEFMANがベテランの貫禄でALBORADAの勢いを退けた。

 

 

 MVPを獲得したのは、Bリーグ秋田ノーザンハピネッツと二足の草鞋を履く保岡。今回の大会はBリーグと日程が重なったが、3x3日本代表の座、そしてオリンピックの舞台を目指す保岡に対する秋田の理解もあり、この日本選手権に出場。秋田と、そしてBEEFMANのチームメイト双方の気持ちに応える結果を見事に残した。
「3人制と5人制の大きな違いの一つは、3人制は(試合中に)コーチがいないところ。何か問題が起きたときに、選手どうしでコミュニケーションをとることがものすごく大事で、それは5人制にも生きてきます」と、両競技でプレーする意義の深さを語った。

 

 

 一方、惜しくも準優勝となったALBORADAだが、BEEFMANの保岡も、「若くてアグレッシブないいチーム。2Pシュートが入り始めると自分たちも太刀打ちできなくなってしまう」と警戒していた。そのALBORADAは、U12からトップチームまで選手の長期的な育成を行っているクラブチーム。170cmと小柄ながら、コート上のプレーでは大きな存在感を見せた♯24石渡優成は、「名のある選手ばかりではありませんが、一から積み重ねて頑張ってきました。今回の経験で、大きい選手と戦って勝ちにいくための体のコンディション作りやメンタルの整え方など学ぶことができました。子どもたちにもいい影響を与えられたのなら、クラブにも恩返しができたのではないかと思います」と充実感のある笑顔を見せた。

 

 

 

 女子決勝は、♯54齊藤桃子の変幻自在な機動力と確実なシュート力を軸に戦うXD(クロスディー)(宮崎)と、♯71小池真理子の高さ(178cm)も生かしつつ総力戦で臨むTOKYO DIME(東京)がお互いに一歩も譲らぬつばぜり合いを見せたが、最後は、衰えぬ攻め気と冷静な状況判断で着実に仕事をこなした齊藤の連続得点により、XDが勝利を収めた。

 

 

 XDは、昨年10月に開催された3x3JAPAN TOUR 2020 Extreme Limitedファイナルシリーズに続くビッグタイトルを獲得。さらに、齊藤はこのときと同様、今回も見事MVPを獲得した。
「(JAPAN TOURに優勝したことで)今までとは全然、気持ちが違いました。それまでは挑戦者の気持ち、向かっていく気持ちが強かったのですが、今回はチームの中に『大丈夫だから、いこう!』という雰囲気があったと思います」と、齊藤は仲間どうしの厚い信頼感と、それに基づく確かな自信に支えられた勝利であることを語った。

 

 

 

 

女子準優勝のTOKYO DIME(写真左)、男子準優勝のALBORADA(同右)

 

女子優勝のXD(写真左)、男子優勝のBEEFMAN(同右)

 

☆男子優勝チームのBEEFMANには、2021FIBAワールドツアーマスターズ アジア・オセアニア大陸予選大会の出場権が与えられる(予定)

 

(取材・文/月刊バスケットボール編集部 村山純一 写真/山岡邦彦)



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