月刊バスケットボール5月号

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2021.02.21

弓波英人(NCAAディビジョンIジョージアサザン大学3年生) - 夢の続きを描く2021年の春(4=最終回)

NCAAディビジョンIのジョージアサザン大学でウォークオンとしてプレーしている弓波英人は、学業面で優秀な成績を収めていることから、今夏3年生の生活を終えた時点で卒業する意向を持っている。文武両道の道を究めた大学生活を振り返り、今後の夢を語ってもらった。
文/柴田 健(月バス.com)

 

ビッグマンの林の中を果敢に切れ込みゴールをねらう弓波(写真=AJ Henderson/Georgia Southern Athletics)

 

専攻は広い視野でビジネスマネジメントを選択

 

 弓波はジョージアサザン大学(以下GSU)でビジネスマネジメントを専攻している。大学でスポーツをしている学生を思い浮かべれば、自然とスポーツマネジメントという言葉が浮かびそうだが、弓波はあえてスポーツ限定の分野ではなくより広い範疇を学ぶコースを選んだ。「ゴールはアメリカで、ディビジョンIのヘッドコーチになることなんです。もともと教えることが好きで。バスケを通じて人として成長する姿を後押ししたいですし、バスケ以外のことも教えられるようになりたいと思っています。NBAを目指すというよりは、人として育て上げられるように。それがディビジョンIのトップレベルでコーチしたい理由です」。ビジネスマネジメントの専攻はその役に立つという考えだ。
「そうですね。スポーツマネジメントというのもあると思うのですが、僕は常にいろんなオプションを持っていたかったんです。今は就活みたいなこともしています。本当に勉強が一番だと思っていて、ビジネスマネジメントならマネジメントをより深く学べて、必要に応じてスポーツにも応用できるかなという考えです。就活の結果そういった方向になっても大丈夫なようにと、もう少し幅広い範疇を学ぶビジネスマネジメントにしました」

 人としての生き方という意味で、弓波は母親(和加子さん)の思いを大事にしている。それは意外なようだが、「日本人として日本語で、ちゃんと敬語ができる人になってほしい」というものだ。補習校になかなか通えなかったノースキャロライナでの小学生時代には、何とかしてという思いで日本語通信教育にも取り組んだという。

 英語だけで、バスケだけで、が人生ではない。そんな志向が幅の広い生き方を目指す弓波の考えにつながっているように思う。その中で、全力で夢を追いかけよう。とりあえず最後までやってみて、ダメならだめでまた考えよう。

 そのような思いが原動力となり、専攻科で弓波は表彰されるほどの優秀な成績を収めている。それは3年生で卒業できるほどのレベルで、実際本人はこの夏GSUを卒業する意向だという。ということは今シーズンが最終シーズンだ。そこで弓波にこれまでの自身の大学生活を自己評価してもらった。



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