月刊バスケットボール5月号

Wリーグ

2021.02.14

Wリーグ終盤戦がスタート。久しぶりの実戦に見える各チームの台所事情

2月13日、Wリーグのレギュラーシーズン終盤戦がスタートした。昨年9月18日に開幕した今シーズンのWリーグは、11月1日の試合の後、一時中断。11月28日~12月20日の皇后杯を挟み、1月9日に再開し2週間行い、再び中断。そして2月13日から2月28日までレギュラーシーズン、3月6日からプレーオフへと進んでいく予定となっている。

 11月と2月にはもともと日本代表が出場する国際大会が予定されていたための中断期間であったが、新型コロナの影響で大会自体が延期になってしまっている。また、Wリーグにおいても1月の試合スケジュールは西地区は開催できたものの東地区が中止、1月24日に予定したオールスターゲームも中止となった。そのため、東地区の6チームは、皇后杯以来の実戦となり、2か月前後の中断期間があったことになる。

 その間、それぞれのチームが抱えた状況はまたさまざまである。皇后杯で優勝を果たしたENEOSは、シーズン当初からケガ人が多かったが、皇后杯準々決勝でエースの渡嘉敷来夢も負傷し、戦列を離れてしまった。満身創痍のスモールラインナップ状態は変わらず、2月13日の新潟戦も4Qで突き放したものの、東地区最下位のチームに対して苦戦を強いられることになった。普段はチームを離れてリハビリを続けていると言う渡嘉敷がベンチからゲキを飛ばすシーンも見られたが、一方で林咲希が戦列復帰し、持ち前の3Pシュートで貢献したことは明るい材料となった。

 

試合後の会見に参加したENEOSの岡本、林、渡嘉敷(左から)

 

 続く日立ハイテク-東京羽田戦では、日立ハイテクがユニフォームを間違えるというハプニング。没収ゲームとなっても不思議ではなかったが、両チーム協議の上、試合は実施に。やはりゲームをやりたいという気持ちが強かったのだろう。ちなみに後半からは日立ハイテクがユニフォームを着替え、通常どおりの濃淡のユニフォームでのマッチアップとなった。

 また、シャンソン化粧品は中断前とはガラッと変わるスターティングラインナップを見せた。前半戦ケガで出場できなかった坂田侑紀奈に加え、アーリーエントリーで加入した吉田舞衣、佐藤由璃果が初出場、初スタメンとなった。キャプテンの小池遥、野口さくらといった主力をケガで欠いていることを明かしながら「なかなかフルメンバーでできていないのですが、みんな戻ってくると思うので、チーム力はさらに上がってくる」と坂田。アーリーエントリーから、スターターに抜擢された吉田、佐藤は共に2ケタ得点をあげるなど活躍を見せ、試合には敗れたものの、チームに活力を与え、次戦での勝利へ期待を感じさせた。対した富士通はリーグ中断期間中にチーム内に新型コロナウイルス感染者が出たこともあり「練習できない時期もあって、調整は難しかった」(内野智香英)と語る。谷口二千華も「100%ではないですが、徐々にチーム状況は上がっていくと思います」と口にした。

 コロナ禍において、大会スケジュールが変わり、中止になり、練習も予定どおりには進まない。試合のスケジュールが変われば、調整のスケジュールも当然変わる。そもそも練習したくても、できない状況にも見舞われる。どのチームも、活動していくこと、チーム力を保持し、築いていくことが容易ではないシーズンに臨んでいる。

(飯田康二/月刊バスケットボール)



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