月刊バスケットボール5月号

NBA

2021.02.14

ラッセル・ウエストブルック(ウィザーズ)、チームの不振にも前を向く - One thing I’m not doing is give up and give in(あきらめと妥協だけはあり得ません)


マディソン・スクエア・ガーデンでニューヨーク・ニックスと対戦した2月12日(アメリカ時間)のワシントン・ウィザーズ。得点源のブラッドリー・ビールが休養で欠場となったことも響いたか、この試合を91- 109で落とした。この敗戦でシーズン成績は6勝17敗となり、リーグ全体の最下位に沈んでいる。
この日は3Pシューティングの低調さ(26.5%)が指摘され、さらにリバウンドで65-46と圧倒されたことから想像できるように、ニックスにバックボードを制されてしまっていた。ウィザーズで最もリバウンドが多かったのは、ラッセル・ウエストブルックの9本。“ラス”はこの日も23得点、10アシストとほぼトリプルダブルの奮闘を見せたが、チームとしての歯車がかみ合わない。
八村 塁も10得点と5リバウンドを記録したし、この日ビールに代わってキャリア初のスターターを経験したツーウェイ契約のギャリソン・マシューズも14得点と頑張った。しかしチーム全体にみなぎる自信が伝わってこない。少なくともウエストブルックはそう感じているようだ。
試合後の会見では、どのようにしてチームメイトを鼓舞するかを尋ねられていた。やはり負けが込んでいることから自信のなさがメディアのメンバーにも感じられるのではなかろうか。また、新加入のリーダーであるウエストブルックの心境を憂う思いもあるに違いない。ウエストブルックは力強く「あきらめと妥協だけはあり得ません」と話した。「どんな成績でも、どんなことの運びになってもです。僕は常に闘志を見せて何とかして、どうにかしてチームメイトに自信を植えつけようとするだけです」
決して明るい声には聞こえなかったが、懸命にチームを引っ張ろうとする姿勢が伝わる。彼自身の言葉では以下のような表現だった。
“One thing I’m not doing is give up and give in to the record and anything else that’s going on. So I always just keep fighting and instilling some confidence somehow, someway to my teammates.”
ウィザーズが迷い込んだコロナの影響による長いトンネルは、正直なところ2月になればほぼ抜け出せるかとの楽観論を個人的には持っていた。しかし、今のところ的外れとなっている。悪い流れの中で自信を持つということは難しく、しかも重要なことだろう。何とか巻き返してほしいところだ。

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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