月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2021.02.11

東日本大震災から10年…、2011.3.11を忘れない - Bリーグの復興支援アクション『B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便』

 東日本大震災からまもなく10年が過ぎようとしている。あの日を忘れない、教訓をいかしたい。その後を生きてきた人々のこうした想いを行動に移す活動をBリーグが日本郵便株式会社の下で展開する。『B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便』と題されたこの活動は、バスケットボールを通じて防災・減災を学ぶプログラム「防災バスケ - Defense Action -」の開発と、震災で甚大な被害を受けた岩手・宮城・福島・茨城を本拠地とする4クラブによる地域復興支援活動を軸とした取り組みだ。

 2011年3月11日に東北地方の太平洋沿岸で発生した東日本大震災は、バスケットボールの世界にも大きな影響を及ぼした。例えば、当時bjリーグに所属していた仙台89ERSはクラブ存続の危機に直面し、活動を休止した。それまでともにプレーしてきた所属メンバーの多くが、レンタル移籍でチームを離れなければならなくなった。一方福島では、「地域にもう一度笑顔を」という願いから新たに福島ファイヤーボンズが設立された。

 これだけではなく、プレーヤーをはじめ多くの競技関係者がバスケ人として何ができるかを考えさせられ、行動してきた。2019年に実施された『B.Hope×選手会復興支援活動 in 陸前高田』は、その一つの形だ。
『B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便』は、Bリーグがその社会的責任を果たす目的で展開している『B.LEAGUE Hope(以下B.Hope)』で設立以来取り組んできた復興支援活動の 、10 年の節目に震災と向き合うアクションだ。今シーズンのテーマとしている「コロナ禍においても支えてくださっている多くの方々にワクワクをお届けしたい」という想いと、「被災されてもクラブを支えてくださった地域の方々へ感謝を届けたい」という想いを重ね、プロジェクトの名前を「HANDS UP!」にしたのだという。


☆『B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便』の概要

 

 

■バスケを通じて防災・減災を学ぶ「防災バスケ - Defense Action -」の開発
災害に対する備えの重要性はわかっていても、具体的な実践はついおろそかになりがちだ。B.Hope が開発した『Defense Action』は「防災において大事な事とバスケの楽しさを融合させた活動を通じて、「備える人・動ける人・助ける人」の育成を目指すプログラム 。全国にある B クラブが今後このプログラムを実施していく。


■岩手・宮城・福島・茨城 4 クラブの復興支援活動のサポート
被災から10年たった今でも、新たなコミュニティの形成、風評被害の払拭、子どもたちがスポーツや文化を楽しめる環境の整備など復興の活動は続いている。各地域に根ざしたクラブがこれまでの復興支援活動に加え、以下のような形で「今、できること」に取り組んでいく。

 

● 岩手ビッグブルズ
2月13日(土)、14日(日)、4月3日(土)、4日(日)のホームゲームを復興祈念試合として、復興祈念デザインのユニフォームを選手が着用。2月14日(日)の試合で同デザインTシャツを先着約100名様にプレゼント。


● 仙台 89ERS
東日本大震災から10年の節目を機に社会貢献活動『NINERS HOOP』を発足。2月14日(日)、3月14日(日)、4月4日(日)のホームゲームにて、『第1回 NINERS HOOP GAME』を開催。宮城県内の小学生を招待し、Defense Actionとエキシビジョンゲームを実施。

 

● 福島ファイヤーボンズ
2月27日(土)、28日(日)のホームゲームにて、東日本大震災復興10年イベントとして、元日本代表選手によるクリニックやスペシャルライブ、『光る絵本展』等を実施。売り上げの一部を被災地・医療従事者へ寄付。

 

● 茨城ロボッツ
水戸市内ケアセンターの訪問や、施設利用者とのコミュニケーションイベントを予定。また、3月13日(土)、14日(日)のホームゲーム前にそれぞれDefense Actionと茨城県内の小中学生を招待した防災×バスケをテーマにしたクリニック、U15 チームによる試合を開催。

 

 Bリーグと各クラブはこのほかにもさまざまなイベントを行っていく。東日本大震災と向き合い、「追悼」と「震災を忘れない」という想いはかわらない。

 

B.Hope HANDS UP! PROJECT supported by 日本郵便特設サイト
https://www.bleague.jp/b-hope/hands-up/


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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