月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.02.04

八村 塁(ウィザーズ)がシーズンハイの24得点を記録 – 敗戦も復調を強くアピール

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で長期離脱を余儀なくされた八村 塁(ワシントン・ウィザーズ)が、戦列復帰後3試合目となるアメリカ現地2月2日夜(日本時間3日朝)の対ポートランド・トレイルブレイザーズ戦でシーズンハイとなる24得点を奪った。今シーズン出場10試合目。フィールドゴール12本中10本成功(3Pは4本中3本成功)で、戦列復帰後初めての2ケタ得点である。第4Qには8連続得点を含む11得点を奪うなど、粘り強く食らいついた。
八村は34分ちょうどの出場時間だったが、これはブラッドリー・ビール(37分55秒)に次ぐチーム2番目の長さ。コンディションが順調に上がってきている証しと捉えたい。
一報、チームとしてのウィザーズはなかなかいい流れに乗り切ることができない。この試合ではビールがまたしても高い得点力を発揮して37得点を奪い、ラッセル・ウエストブルックも17得点、12リバウンド、10アシストのトリプルダブルを達成したにもかかわらず、121-132で敗れた。特に第1Q、残り3分45秒の時点で12-32という大量リードを許した展開が痛かった。
現時点で4勝13敗の成績はリーグ30チーム中の最下位。数字面では、チーム平均得点117.1がリーグ3位に対して平均失点が122.4でリーグ最下位の高さ。消化試合数が17とリーグで2番目に少ないことだけでなく、先日の練習日に八村が話していた通り、その他の故障などで離脱者が多かったことから、コート上のコミュニケーションがまだまだ未完成であることがうかがえる。
そんな中で、この日の八村の復調ぶりは頼もしい。スコット・ブルックスHCも「今夜ルイはまた一つレベルを上げました(He’s made another jump tonight)」と今後のさらなる活躍への期待を込めて話した。
ビールは今シーズン出場した16試合すべてで25得点以上。これはマイケル・ジョーダンに並ぶ歴代5位タイ(3人目)の記録とのことだ。また、今シーズン30得点以上は11試合目で、これはこの日対戦したブレイザーズのディミアン・リラードの12回に次ぐ今シーズンのリーグ2位となる数字だという。ここまでのアベレージ35.0は堂々リーグ1位である。このような強力なエースの存在に復調した八村の活躍を計算できれば、オフェンス面には大きな心配はなさそうだ。試合数を重ねながらディフェンス力を高めていければ、浮上を期待できるだろう。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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