月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.01.24

We’re behind the eight ball, already(すでに窮地に陥っています) - コロナと故障の打撃に頭を抱えるスコット・ブルックスHC(ワシントン・ウィザーズ)

 

現地時間1月11日のフェニックス・サンズ戦勝利以来6試合連続で予定されていた試合が延期となっているワシントン・ウィザーズは、ロードでの対ミルウォーキー・バックス戦が延期となった1月22日に練習を行った。ところがコロナ関連の安全衛生プロトコルの対象となって離脱しているプレーヤーが八村 塁を含め6人おり、ラッセル・ウエストブルック(左大腿四頭筋負傷)やトーマス・ブライアント(左ひざ前十字靭帯断裂)も含め参加できないプレーヤーが多く、十分というには程遠い内容しかできなかったようだ。オンライン会見に応じたスコット・ブルックスHCは「すでに窮地に陥っています(We’re behind the eight ball, already)」と厳しい状況を表現した。
これは、現地時間24日の日曜日(日本時間25日の月曜日)に予定されているロードでの対サンアントニオ・スパーズ戦をやりたいかどうかという質問に対する答えで出てきた言葉だったが、一連のコメントは「それはもちろんです。プレーしたいですよ。でも今日やろうとしてもできなかったでしょうね。非常に、本当に厳しかったでしょう。率直に言って、すでに窮地に陥っています」というものだった。
ブルックスHCが実際に発した英文の内容は以下のとおりだ。
“I mean I hope so. We wanna play. I mean there was no way we could have played tonight. It would have been very very difficult. Let’s face it. We’re behind the eight ball, already.”
ここで出てきた「We’re behind the eight ball」という言葉が「窮地に陥っています」となるのはビリヤードに由来があるそうだ。エイトボールというゲームで8番のボールをポケットに落としてはいけないというルールがあり、8番ボールの後ろにある自分のボールを打つにはリスクが伴うところから生まれた表現だという。やらない人にはわからない英語表現だが、何しろ八村の背番号なので気になってしまった。
いずれにしてもウィザーズの状況はまさしく窮地。しかしロスター補強については、トロント・ラプターズから放出されたビッグマンのアレックス・レンがあらたに加わり、もう一人、これもフロントラインのジョーダン・ベルが10日間契約を結ぶとの見通しが報じられている。ここまで3勝8敗(イースタンカンファレンス14位)のウィザーズは消化試合数が11とリーグ全体で最も少なく、コロナの影響を最も強く受けていると言ってもよい状態だけに、まずは関係者の健康を取り戻し、安全な状況でエキサイティングなプレーを見せられるようになってくれることを願うばかりだ。現地時間の土曜日朝(日本時間日曜日未明)の段階では翌日の試合について延期の発表はない。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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