月刊バスケットボール6月号

中学(U15)

2021.01.05

【Jr.ウインターカップ】最後までチーム全員で守り切ったKD PIRANHANSが接戦を制す

 大会2日目のKD PIRANHANS(群馬)とFURUTA Excalibur BBC(広島)の対戦は、序盤から拮抗した好ゲームとなった。2QにKDが#13小室菜々子、#7戸塚妃莉らの得点でリードを奪うと、その後は引き離しにかかるKDに対し、FURUTAが付いていく展開。


積極的なディフェンスと走力を生かしたオフェンスでペースを握ろうとするKDに対し、FURUTAはスターターの#14大上粋奈(178cm)、ベンチから出場の#15白石弥桜(180cm)を擁し、要所要所でリバウンドを支配して流れを引き戻す。この試合、白石は18分弱の出場で18得点を記録、大上も18リバウンドとそれぞれ存在感を見せた。

 

スケールの大きなプレーを見せた#15白石(FURUTA)

攻防でチームを引っ張った#1関口(KD)

 

 25-20とKDのリードで迎えた後半も流れは変わらず、3Q終盤で#13小室の連続5得点で46-36と10点差を付けて最終Qへ。しかし、粘るFURUTAは#15白石、#5道町里紅らの得点でジリジリと差を詰めていくと、残り2分を切ったところで#15白石のフリースローでついに53-53と同点に追い付いた。


直後、KDの#23萩原ほのかが3Pシュートを決めるが、FURUTAも#15白石が決め返して再び1点差。緊迫した展開にも動じないKDは#7戸塚のアシストから#35瀧本真莉亜が落ち着いて得点し3点差に。その後、再三リバウンドを取られながらもなんとか持ちこたえたKDは、残り30秒で司令塔として攻防にわたりチームを支えてきたキャプテンの#1関口まおが無念のファウルアウト。それでも「みんなの力が一つになりました。最後で退場してしまいましたが、試合に出ていない人も、出ている人もみんなで大きな声を出して」と関口が話したように、最後までチーム全員で必死に守り抜いたKDが58-56で逃げ切りを見せた。


「点差を離したいと思っていましたが、相手が大きく、リバウンドをたくさん取られてしまいました。得点を取っても、リバウンドでやられてしまって離せませんでした」とKDの#1関口。そんな厳しい試合展開のなか「一年やってきたことをコートで表現しよう。やり続けよう」と試合中に言い続けたと言う小林大介ヘッドコーチ。「小さいチームですし、スーパースターもいないのでみんなでバスケットしていこうと。大きいチーム相手に、いかに平面で崩せるかをポイントにやってきました」と臨んできた。そして、「最後まで我慢してあきらめなかったことが勝利につながりました」と接戦での勝利を振り返った。

 

写真/JBA

文/飯田康二(月刊バスケットボール)



PICK UP