月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2021.01.04

【Jr.ウインターカップ】父子鷹で上位進出を目指すRIZINGS徳島#18十川虎之介

 

 Jr.ウインターカップ初日が終了した。男子1回戦のBコート最終戦に登場したのは徳島県代表のRIZINGS徳島と茨城県代表のBCつくばEvolution。この試合はRIZINGS徳島が序盤から優勢に試合を進め、最後までリードを許すことなく74-59で快勝した。

 

 RIZINGS徳島としては、本戦へ向けた県予選の1回戦からわずか2点差という大接戦をモノにし、その勢いを持って何とか手にした全国の切符だ。1回戦で負けるわけにはいかない。

 

「3Pシュートやノーマークのシュートを決めるといった予定どおりのプレーが最初からできました。ここに来る以前に徳島で勝つことが難しかったので、それを考えると1回戦は良い入りができたのかなと思います。ウチのチームにはハートの強い選手が多いので、何となくですが勝ち進んでいけるのかなというイメージができました」と、十川佳司コーチもホッとしたような表情を浮かべていた。ひとまず、初戦突破で一安心といったところだろう。

 

 この試合で中学生らしからぬ落ち着いたプレーでチームの勝利に貢献したのが十川コーチの実息#18十川虎之介だ。「彼(虎之介)の武器はバスケットIQですね。オフェンスでもディフェンスでも大きな穴がなくて、点を取れないときでもある程度は活躍できます」と父・佳司コーチは息子を評価する。

 

 

 チーム内では長身(181cm)の十川だが、インサイドからアウトサイドまでこなすオールラウンドなプレーを見せ、この試合では佳司コーチの言葉どおり、シュートが不発の時間帯でもフロアバランスをうまく取りながらプレーしていた様子が印象的だった。

 

 試合後も平然としている十川に「緊張はなかったですか?」と尋ねたところ、コート上での落ち着きとは打って変わって、「昨日の夜、緊張しすぎて寝られなかったです(笑)」と苦笑い。今シーズン最初で最後の全国大会とあってさすがに緊張していたようだが、「チームメイトがいろいろと声をかけてくれたので、それで少しずつほぐれていきました。シュートが入らなかったのは改善点、でもボールをキープする力は通用したかなと思います」と初戦としてはまずまずの入りだったようだ。

 

 チームとしてはベスト8を目標に掲げている。明日の2回戦で戦うLake Force CLUB(滋賀)やとなりのAコートで初戦を快勝した四日市メリノール学院(三重)など同ブロックには名のある強豪チームが多いが、そういったチームにどう立ち向かっていくか。父子鷹で上位進出を目論むRIZINGS徳島の戦いに注目していきたい。

 

写真/JBA

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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