月刊バスケットボール1月号

【ウインターカップ2020】大濠相手にトリプルダブル! 3年間の集大成を披露した関西大北陽・金近廉

 最終スコアは84-92。ウインターカップ男子2回戦、関西大北陽は強豪・福岡大附大濠に10点前後で最後まで食らいついたものの、あと一歩及ばず今シーズンの幕を閉じた。敗れた悔しさは大きいが、「相手との力の差も感じましたが、自分の中ではやり切ったという感覚が大きいです。チームメイトもパスを回してくれたし、渡辺先生もずっと使ってくれて、すごく感謝しています」と、すがすがしい表情で試合を振り返ったのはエースの#8金近廉。挑戦者として胸を借りたこの試合で、つかんだ手応えは大きいようだ。

 

 

 その金近はこの試合、華麗なアシストから豪快なダンクまで、幅広いプレーでチームをけん引。結果的に34得点、12リバウンド、10アシストの“トリプルダブル”という大車輪の活躍を見せた。その数字を試合後の取材で記者から知らされると、マスクをしながらでも分かるような、はにかんだ笑顔に。前日「目標は30点」と話していたが、得点力だけでなく「今日は周りがよく見えていた」とアシスト力でも大きな存在感を放って攻撃の起点となった。

 


 

 1年生の頃から主力の一員としてコートに立ち、昨年は自チームとアンダーカテゴリーの日本代表活動を両立しながら貴重な経験を積んできた。今年にはコロナ禍で3か月間練習ができなかったが、渡辺真二コーチいわく「3か月の自粛期間が明けたときに、体つきが変わっていました。きちっと個人のトレーニングをやってきて、3か月ぶりにプレーを見たときに『大学生並みのパワーになっているな』と。全てにおいて自覚が出てきて、休みの間もやるべきことをやっていた」。また、最上級生になって「キャプテンではないですが、コートの中では一番声を出して、みんなに声かけしているのが金近」(渡辺コーチ)と、リーダーシップの面でも大きな成長を見せた。

 

 高校3年間の集大成として、大会に爪痕を残した金近。その将来の可能性は、まだまだ無限に広がっていると言えるだろう。プレーの参考にしている選手は三谷桂司朗(筑波大1年)で、「自分と似ている部分があって。でも三谷さんは外のシュートが高確率なので、これから大学の期間などで追い付いていけたらと思います」とのこと。次のステージでの活躍を楽しみに待ちたい。

 

写真/JBA

取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)



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