月刊バスケットボール5月号

ボールブタ(ball hog)ってなんですか?―バスケ英語企画スペシャル版

ball hog, eating glass...

バスケで英語を楽しもう

 

 ボールブタ。英語で言うとball hog。どんな意味でしょう?

 日本語で「ボールブタ」という言葉を聞いたことがある人はあまりいないように思いますが、英語のほうはアメリカでは結構一般的に使われるバスケ用語です。日本でもピックアップゲームが好きな方の中には、ご存じの方がたくさんいるのかもしれません。バスケをやっていれば一度は目にしたことがある(?)コートまわりの困りものキャラを指す言葉です。もしこんな人がチームにいたら、チームのまとめ役はメンバーを集めてこんなことを言うでしょう。

 

Don't be a ball hog. Let's share the ball and attack as a team(ボールブタにならないように。ボールを回してチームで攻めよう。)

 

 

 簡単に言えば、ボールを自分だけで独占して味方に回さないプレーヤーのことを、アメリカのボーラーたちはball hogと呼んでからかうのです。日本でもよく「あいつはブラックホールだから気をつけるんだよ。パスしたら二度と戻ってこないから」などいいますよね。あれです(笑)

 こういった表現に触れると、英語はあまり堅苦しく勉強するよりも、好きなバスケで身につけた方がよかったなぁ…と若かりし日々を思い出して後悔します。今や小学校でも英語が必修化される時代ですが、バスケをやっているのであれば、教科書や参考書での学びに加えこういった身近な表現から英語に親しむのも非常に有効だと思います。特にバスケットボールはアメリカ発祥のスポーツ。ゆえに競技名はもちろんプレーの名前から何から、英語と切り離すことはできないわけですし。

 アメリカの人々の生活の中に、バスケットボール関連用語が入ってくることはよくあり、例えば「メールしとくからね」なら「I'll send you an e-mail」で済みますが、「I'll shoot you an e-mail」と、バスケでよく使うshootという言葉を使うのも可能。shootという言葉なら小学生のころから使っていますから、sendを習わなくても、基本的な単語のつなぎ合わせで「メールを送るよ」と言えそうです。

 逆に日常の言葉がバスケットボールに取り入れられていることも多々あります。例えばコート上のプレーヤーを見て「He's eating glass」とそばの仲間が言ったら、「彼がガラスを食べている」と素直に訳しても意味が通じません。アメリカに住む知人の説明によれば、ここでglassが指しているのは日常生活で言うガラスではなくバックボード。ハイレベルな試合では多くの場合バックボードが透明でガラスのようなのでこう言い表すようです。となると、文章としてはバックボードにかぶりつくわけで、そこから転じて「リバウンドを取りまくっている」となるそうです。

 

バスケ英語で

世界に飛び出せ!

 

 昨今、日本から本場アメリカにわたって大きな夢を追いかけるプレーヤーやコーチの登場が加速しており、プロでも学生でも、名前を上げたらきりがないほどたくさんの例があります。この傾向は今後一層盛んになっていくでしょう。

 そう考えると、バスケットボールにかかわったらついでに英語に興味を持つのが子どもたちの中・長期のキャリア形成上大きな意義があることととらえられます。ball hogやeating glassのような表現で楽しみながら英語学習の下地を作っていけば、成長とともに学習レベルが高くなっても意欲のもとになってくれることでしょう。学習意欲さえ持っていられれば、広がっていく将来の可能性を語学力を理由に狭める必要がなくなるかもしれません。

 月バスで英語を楽しむ企画『B IS FOR BASKETBALL』を始めたのも、バスケ特有のこういった表現を紹介していくことで英語に対する親近感を持ってもらうことが、ゆくゆく個々のプレーヤーの可能性を広げるのではないかという思いからです。

 今回そのようなコンセプトを一冊の本『ボールブタ(ball hog)ってなんですか?』として形にいたしました。11月26日から書店に並んでいるのですが、「絵とバスケットボールで学ぶ英語読本」という副題のとおり、個性的なイラストをフィーチャーして、タイトルのバスケブタ(ball hog)をはじめとしたおもしろバスケ英語を大特集しています。英語が必修化された小学生年代に、またその年代のお子さんを持つお父さんお母さんにおすすめの内容で、中学校に上がって英語がイヤになっちゃったという人にも、ちょっとのぞいてみてほしい作りになっています。

 

 

 

 本書では、言葉の習得にプラスになるよう、以下のような工夫をしました。


① バスケ関連の英語表現を、アルファベット26文字のくくりで整理して紹介
② 各アルファベットでKEY EXPRESSIONとして1語句を取り上げ、ライムフレーズに乗せて紹介(誌面で紹介した26点のフレーズの発音例を、順次月バス公式YouTubeで公開していきます)
③ 各アルファベットでKEY EXPRESSIONを含め10点の語句を紹介
④ コートサイドの会話例を挨拶、自己紹介、練習中のハドル…といった具合に場合分けして紹介
⑤ 低学年以下でも読めるように、本文中のすべての漢字に読み仮名を併記
⑥ 英語の発音に関してカタカナで目安となる読み仮名を併記
⑦ 一語一語の連結による音声変化や強弱など表現の抑揚にかかわる要素を、文字の大きさを変え、また実際の発音に近いカタカナで表現
⑧ アメリカの子どもたちが小学校3年生までに身につけるサイトワーズを含め、全編通じて600語以上を使用(平成29年度の学習指導要領に示された中学校の外国語学習の土台に十分な語数)
⑨ 島本和彦さんによるバスケ文化についての特別コラムも収録

 

 小学生が自分で英語学習に取り組むプラスになるだけでなく、親子で読んでも会話が盛り上がるバスケネタ満載です。低学年以下でもイラストを楽しみながら英語フレーズに触れていただくことができ、中学年以上の知識欲にも応えるコンテンツをそろえました。このページの一番下にリンクを貼ったNBPオンラインショップでお求めいただけますので、ご興味があったらぜひのぞいてみてください。

 また、上記②に記したとおり、連動YouTubeコンテンツも順次公開(閲覧無料)していきます。ここではそのプレビュー動画を紹介しますので、ぜひご覧になってみてください。Bリーグの越谷アルファ―ズでキャプテンを務める長谷川智也選手、モデルやタレントとして活躍中のステファニーさん、ラジオMCでフリースタイルバスケットボールパフォーマンスの元世界チャンピオンのZiNEZさんが、デモンストレーターとしてご効力くださっています。

 

KEY EXPRESSIONのライムフレーズフォローアップ動画のプレビューがコチラ。

月バス公式YouTubeで随時配信していきます。

 

絵とバスケットボールで学ぶ英語読本

『ボールブタ(ball hog)ってなんですか?』

絵=YU(ut0824)
定価1,500円(税込み1,650円)

お求めは全国書店か下記リンク先のNBPオンラインショップで!

http://shop.nbp.ne.jp/shopdetail/000000001658/

『ボールブタ(ball hog)ってなんですか』はお子さんのいるご家庭へのプレゼントにおすすめ!

 

文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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