月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2020.10.08

B2開幕初日、ケイン・ロバーツ(東京Z) インタビュー

 10月2日、待望の開幕を迎えたBリーグの会場に足を運んだ。大田区総合体育館で開催されたB2のアースフレンズ東京Z対越谷アルファーズの試合後、注目のプレーヤー、ケイン・ロバーツに時間をもらった。
文=柴田 健 アイキャッチ画像=©︎B.LEAGUE 協力=アースフレンズ東京Z

 

 

――快勝、おめでとうございます。でもあなた自身は(出場がなかったので)ちょっとほろ苦かったのではないですか?
ロバーツ(以下KR) はい。でも今日はチームとして素晴らしい勝ち方をできのは確かです。すでに2-3年やってきたベテランやうまいプレーヤーたちの下、ものすごく頑張りましたね。僕にとっては勉強の過程で、コートの外でも中でも、練習でも同じです。
先ほども言いましたがチームで手にした素晴らしい勝利でした。岡田(優介)さんも1000本目のスリーを成功させて、良かったですね。いい形でシーズンを始められましたので、ここからさらに成長していきたいです。

 

――チーム全体として何が良かったですか?
KR 終盤に皆が一体になっていたのが良かったです。確か2点負けていたと思いますが、最後はナンナ(エグー)がティップインを決めて。皆、力をみなぎらせて気持ちが一つになっていました。だから勝てたのです。

 

――お客さんの盛り上がりはどうでしたか?
KR 良かったです。こんなにきてくれるとは、正直驚きました。熱い声援はいつでもありがたいですね。できればホームは毎試合来て応援してくれたらありがたいです。連勝を狙ったり流れをつかみたい試合では、それがとても大きな意味を持ってきます。なので、ぜひまた来ていただきたいです。

 

――アメリカの大学でプレーする希望がありますよね。でもこのリーグはどれくらい厳しいですか?
KR 18歳の高校生で飛び込んできて、完成された大人と戦うのは承知の上です。だれもが自分よりずっと強く、大きく、速く、うまいのは当然です。なので、チームにもリーグにも自分の居場所をみつけなければいけません。ここ(Bリーグ)で強く前進し、自分の能力を最大限披露してアメリカ(の大学)に進む機会をつかみたいですね。

 

――コートに立ったプレーヤーをみて、何を学びましたか? 自分のプレーに積み上げていきたいですよね。

KR 身体的なプレー面ということではありませんが、皆が内面でしっかり準備できていて、当座の劣勢にも慌てず点差を追い上げ最後に勝ったということが勉強になりました。

 

――最後に日本のファンにメッセージと挨拶をいただけますか?
僕をBリーグに入れてくれてありがとうございます。将来の成功につながる機会をもらえたことに感謝しています。いつかNBAやユーロリーグにいけるかわかりませんが、皆さんが応援してくれれば、日本の名を最高の地位に高められるように頑張ります!


B2の優勝戦線を占う上での注目カードだったこの日の試合で、ロバーツに出場機会はなかった。ただ、東頭俊典HCは試合後の会見で「練習でも本当にいいので…。もうちょっとのびのびできる時間帯、ミスを怖がらない状況でコートに出したい」とロバーツを起用しなかった背景を説明している。実際ロバーツは、翌日のシーズン第2戦で6分32秒の出場時間を得、7得点(FG成功率60%)、2リバウンド、1スティール(1ターンオーバー)でエフィシエンシー7という数字を残している。その中に豪快なティップインダンク1本が含まれていたことを、すでに多くのファンが知っていることだろう。

 

 この日、残念ながらこの目でそのアクションを見ることはできなかったが、翌日の豪快なダンクや、昨年のバスケットボールウィズアウトボーダーズで目にしたプレーぶりを思い起こせば、今後の活躍への期待は膨らむばかりだ。試合での勝敗だけでなく育成面でも創造的な動きをしている東頭HCや、バスケットボール界で広く人望のある岡田優介ら、良きメンターに恵まれていることは、まだ18歳のロバーツの人格形成面で大きなプラスだろう。この1年間、Bリーグ、また東京Zという環境で、次なるステップとしてのNCAAにおけるキャリアへの道を切り開けるか、目が離せない存在だ。

 

(月刊バスケットボール)



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