月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2020.09.30

新生・群馬のディフェンスの要となるマイケル・パーカー&山崎稜

Photo/©︎B.LEAGUE 写真は2019-20シーズンより

 

 10月2日(金)から各地でレギュラーシーズンがスタートするBリーグ。今季はB1昇格を果たした信州と広島、悲願の優勝を目指す千葉、選手層に厚みが増した名古屋Dなど、B1勢の補強が目立つ。一方のB2も越谷がアイザック・バッツと長谷川智也を、東京Zが岡田優介を、奈良が長谷川智伸と藤高宗一郎を獲得するなど、昨季までB1で活躍してきた選手が多く移籍。昇格争いは例年にも増して激化。

 

 そんなB2の中でも特に注目を集めているのが群馬だ。今年6月に株式会社オープンハウスの子会社となり、元高校野球監督の阿久澤毅氏を新社長に迎えるなど体制を一新。悲願のB1昇格へ向けてB1から外国籍選手を含む8選手を新たに迎え入れた。

 

 充実の戦力を整え、チームとしてもシーズン55勝を目標に掲げる今季の群馬だが、戦い方のベースはこれまでと変わらない。就任5シーズン目の平岡富士貴ヘッドコーチ(以下HC)は「誰が出ても強度が変わらない、むしろベンチメンバーの方が強度が増すようなディフェンスからアップテンポなバスケットができればと思っています」「毎年ディフェンスからだと選手に伝えていて、B2の全クラブの中で最少失点を目指したい。成績が良いシーズンは失点でリーグ1、2を争い結果を残してきたので、今年は今まで以上の失点の少なさでシーズンを終えられればと思っています」と理想形を語る。

 

 その中でカギを握る2選手にフォーカスした。一人目はB1からB2へ移籍した選手の中で最も注目を集めたマイケル・パーカー。昨季まで所属した千葉ではブロックやスティールなどの数字に表れる面をはじめ、どのポジションの選手でもマークできるオールラウンド・ディフェンダーとして大活躍した。

 

パーカーの活躍が群馬のB2優勝、B1昇格のカギを握る

 

 B1のクラブからも引く手数多だったはずのパーカーだが、「群馬は未来が明るいクラブであり、周囲の協力が大きなクラブだと思ったから」と群馬を移籍先に選んだ経緯を説明。Bリーグのトップクラブで中心選手として活躍してきた経験値をチームに還元していく。「僕は千葉に移籍した当初もそうでしたが、まだ強豪とは言えないチームをリーグトップクラスのチームへと成長させる過程を経験してきました。今度は群馬でそれを成し遂げていきたい」と気合十分だ。

 

 平岡HCも「全員がそろって良いスタートが切れればパーカー選手の良さであるディフェンスのアグレッシブさも出てくると思う。彼がキーマンになってくる」と期待を込めている。

 

 もう一人は宇都宮で活躍した山崎稜。ブレックスといえばアグレッシブなディフェンスがウリだが、山崎はその中で3&Dプレーヤーとしてバックアップメンバーを務めてきた。前線からプレッシャーをかけるディフェンスには山崎本人も自信を持っており、パーカー同様にトップクラブでの経験値を群馬のメンバーに浸透させていくことが求められる。「ブレックスにいたとき以上に何か気付いたことがあればチーメイトには伝えるようにしています」と山崎。

 

山崎は宇都宮で培ったディフェンス力を群馬に還元した

 

 今季はオフェンス面でもより結果を求められるシーズンになってくるだけに「今まで以上に得点力も求められてくると思うので、毎試合コンスタントに10得点以上は挙げられるようになっていきたい」と気を引き締めている。

 

 開幕まで残すところ3日。開幕戦で茨城をホームに迎える群馬の戦いがいよいよスタートする。

 

(月刊バスケットボール)



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