月刊バスケットボール6月号

「#バスケを止めるな2020」富樫勇樹が藤枝明誠にサプライズ

 新型コロナウイルスの影響によりインターハイが中止となってしまった今年。日頃の練習の成果を発揮する機会を失われた高校生にサプライズを贈ろうというイベントが8月12日に実施された。本来であればこの日は、石川県金沢市で行われる予定だったインターハイ・バスケット競技の開幕日でもあった。

 

 このサプライズイベントは「スポーツを止めるな『青春の宝』プロジェクト」による企画で、「♯バスケを止めるな2020」と題して、静岡県新人大会男子優勝決定戦、藤枝明誠と飛龍の対戦に、松本圭祐アナウンサーの実況、そして富樫勇樹(千葉ジェッツ)の解説を添えて、その映像を藤枝明誠の生徒たちの前で上映するというもの。

 

 

 サプライズされた生徒たちは、驚きながらも自分たちの試合をあらためて映像で振り返り、プロのアナウンサーによる実況、そして富樫の解説を食い入るように視聴。白熱したシーンでは歓声や拍手も沸き起こった。

 


実況された試合は54‐56の僅差で惜しくも敗れたが、10月に行われる予定のウインターカップ静岡県予選に向けて、優勝した飛龍ともども、環境にも対応しながらたくましく歩んでいくことだろう。

 

 富樫は藤枝明誠の生徒たちに「皆さん、上手でビックリしました。新型コロナウイルスの影響でインターハイをはじめいろいろな大会が中止になり、苦労して悲しい思いもしていると思いますが、ウインターカップに向けてチームで頑張ってほしいと思っています。まずはウインターカップに出場してもらい、会場で応援できればと思っていますので頑張ってください」とビデオを通じてメッセージを贈った。

 

 このメッセージを受けて藤枝明誠の主将、石橋永遠は「ウインターカップに絶対出場するというのが部員全員の目標です。さらに、メインコートまで勝ち上がって富樫選手に直接、お礼を言うという新たな目標ができました」と力強く語った。

 



 

 また、今回のサプライズに関しては「率直にビックリ。自分たちとは違うプロの目線で解説していただき学ぶところがたくさんありました。足を使った走るバスケットを褒めてもらいうれしかったです」と笑顔で感想。

 

 同校の日下部二郎監督は、「スポーツは人生を豊かにするために必要不可欠なものです。そして、高校生たちは多くの方々に支えられて活動ができています。今日の富樫選手の解説はまさに彼らにとっての宝物。今は支えられている立場ですが、将来、人を支えられるように成長してほしいと願っています」と感謝の気持ちを述べた。

 

 主将の石橋も、「バスケットは自分にとって大切なもの。将来は何かしらバスケットに関わる仕事に就いて、子どもたちにいい環境を整えられたら」と未来への思いを言葉にした。

 

 今回のサプライズを企画した「一般社団法人スポーツを止めるな」では、様々な形で若いアスリートを支え、スポーツをより良いものにしていく取り組みを実現させるために、「READYFOR」にてクラウドファンディングを実施している。期間は9月30日(水)午前11時まで。詳しくは下記公式サイトを参照。

https://readyfor.jp/projects/spo-tome2020

 



 

(月刊バスケットボール)



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