月刊バスケットボール5月号

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2020.06.25

富永啓生が一時帰国。渡米1シーズン目を振り返り「得点パターンをもっと増やしたい」

 桜丘高のエースとして、2018年のウインターカップでその名をとどろかせた富永啓生が、進学先に選んだのはアメリカ。昨年秋からテキサス州のレンジャー短大に進み、そこでポイントゲッターとして活躍。1年目のシーズンで31試合に出場し、平均16.8得点、特に持ち味の3Pシュートを47.9%という高確率で決め、アメリカでもその得点力を発揮した。2021年度からはネブラスカ大への編入も決定している。そんな富永が、コロナの影響もあり今年5月1日に一時帰国(7月中旬にはアメリカに戻る予定)。6月25日、ZOOMでの囲み取材を受け、アメリカでの日々や今後に向けての意気込みを語った。

 

 

 自身の1年目の活躍について、「シーズンが始まる前のプレシーズンでは、アメリカのルールにちょっと慣れていなくて、トラベリングをたくさん取られることもあったんですけど、試合をやっていくうちに慣れてきました」と振り返った富永。47.9%という3Pシュート成功率については「チームメイトがドライブからノーマークの自分にパスを出してくれて、自分はそれを打つだけだったので」と言うが、「最初はなかなかパスがもらえない状況が続いて、パスが来ることが貴重なので、その貴重なタイミングでどれだけシュートを決められるかが大事だと思っていました。1本1本のミスが命取りだと思って、大事に打っていました」と、3Pシュートへのこだわりを語った。2シーズン目に向けた課題については「3Pシュートだけではどうしても止められてくる部分があるので、ドライブなど得点パターンを増やしていきたいです」と言う。

 

 アメリカでは同じく渡米した田中力(IMGアカデミー)や今野紀花(ルイビル大)ともたまに連絡を取り合い、「同じ場所で頑張っているということで勇気をもらえますし、『負けてられない』という気持ちもあります」と刺激を受けている様子。また、NBAで活躍する八村塁(ウィザーズ)や渡邊雄太(グリズリーズ)も「アメリカにいるときも試合をずっと見させてもらって、『日本人でもここまで戦えるんだ』とすごく勇気付けられました」と、その存在は大きいようだ。

 

 今後に向けて「(ネブラスカ大は)Big Ten Conferenceということでレベルの高い大学がたくさんあるので、その中でも活躍できるように、そしてNBAに行けるように頑張りたいです」と先を見据えていた富永。東京オリンピックについても「1年延期になったということは、自分がもっと成長できる時間が増えたということ。オリンピック、しかも自国開催ということで出たい気持ちは強いので、この1年間頑張って、出られるレベルまで成長することが目標です」と意気込みを語っていた。

 

(月刊バスケットボール)



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