月刊バスケットボール6月号

NBA

2020.04.15

NBA出発前の準備【ブログ】NBA Shooting Report Vol.1

【NBA Shooting Report by フォトグラファー石塚康隆 Vol.1】

 

 皆さん、こんにちは。

 

 新型コロナウイルスの影響により家で過ごす時間が一気に増えていますね。普段からバスケットボールをプレーしたり観戦したりしている皆さんにとっては、非常に我慢が多い状況だと思います。そんな苦しい時期でも、バスケット的楽しみを少しでも増やすため、今回はフォトグラファーからコラムをお送りします。

 

 月刊バスケットボールのフォトグラファー石塚康隆です。現在中断しているNBAですが、毎年撮影に行っています。昨シーズンも渡邊雄太選手を撮影するためにテネシー州のメンフィスへ行ってきました。僕がどのようにアメリカで過ごしているかを、しばらくの間、お送りしていきます。

 

【いざNBAへ!出発前の計画】

 

 NBAの撮影ができると想像しただけで気持ちが高まりますが、アメリカへ出発するまでに様々な準備が必要になります。

 

 まずは撮影日程を月バス編集者と考えるところから始まります。

 

 目的は渡邊選手を撮影することなのでグリズリーズの日程を中心に考えていきますが、2way契約でプレーしているためいつベンチ入りするのか分かりません。そのためNBAでは残り何日プレーできるのか調べたり、Gリーグの撮影も視野に入れたりしながら調整していきます。また、NBAで活躍している選手は誌面で多く使用されるので、対戦相手も考慮して日程を選ぶことも重要になります。今回はメンフィスのホームゲームで行われるNBA4試合とGリーグ1試合の合計5試合を撮影する日程に決めて、NBAのメディア専用サイトから取材申請をしました。

 

 日程が決まったあとは、航空券とホテルの予約をしていきます。

 

 NBAの撮影でアメリカに滞在する際、多いときには1か月で5つの都市を移動しながら撮影することもあります。飛行機に乗る回数が10回以上にもなるため、購入する航空券の日時を間違えないように何度も何度も確認したり、各都市で会場へのアクセスが良いホテルを探すのに時間がかかったりと、出発前からいつもより気を遣うところが多くあります。そんな経験をしていたので、成田―メンフィスの往復航空券と会場近くのホテル探しだけで済んだ今回は、あっという間に予約が終わった感じがしました。

 

持っていく機材の一部。ボディ2台とレンズ4本の基本セットにPCや着替えなど荷物は多いです

 

【最も重要なカメラの準備】

 

 最後にカメラの準備をしていきます。

 

 試合の撮影ではカメラ2台と、望遠レンズや広角レンズなどそれぞれ特徴が違う4本のレンズを使用しています。レンズによって写真の印象が変わるので、試合の状況や会場の雰囲気によって使い分けながら撮影しています。

 

 これらの撮影機材を持ち運びながら各地を移動するのですが、カメラバック選びには気を付けています。いろいろな種類のカメラバックがある中で、普段は移動に便利なキャリーバックを使っています。ただし、飛行機に乗るときにはバックパック型の物に替えるようにしています。故障や荷物が届かないなどのトラブルを避けるため、撮影機材は預けず機内持ち込みをしているのですが、座席上の収納スペースが荷物でいっぱいの場合もあります。こういった場合でもバックパックなら座席の足元のスペースに置けるので、安心して飛行機に乗ることができます。

 

 また、撮影中に故障する可能性も考えられるので、使用する機材の点検や清掃は事前にしておきます。こうして予想できるトラブルを未然に防ぐことで、不安なく撮影に臨めます。

 

 ここまで準備を終えれば、あとは出発日を待つのみです。

 

(Vol.2へ続く)

 



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