月刊バスケットボール5月号

【OQT現地レポート】女子日本代表が白星スタート!代表復帰の大﨑「充実感を感じました」

 

 ベルギー・オステンドで始まった女子バスケットボールのFIBA東京2020オリンピック予選大会(以下OQT)。日本代表はスウェーデン代表を75-54で下し、幸先の良いスタートを切った。決して手放しで喜べる内容ではなかったが、ハーフタイムにしっかりと立て直し、後半で突き放した勝利である。日本の地力を感じさせる勝利でもあった。

 

 

 そのゲームで、3年ぶりに国際大会のコートに戻ってきたのが大﨑佑圭である。ご存知のとおり、結婚・出産を経ての復帰第一戦。10分10秒の出場で1リバウンド・1アシストに終わり、本人も「そんなしゃべることないですよ」と言いながら、その表情は実に晴れやかだった。

 

「率直に楽しかった……いや、楽しかったっていう表現がいいのかどうかもわからないほど充実していました。もちろん課題はたくさん残りました。でもみんながいるコートの上に戻ってきたんだな、世界と戦える場に立てているんだなってことに充実感を感じました」

 

 学生時代はチームの大黒柱として得点を量産していた大﨑だが、今は違う。スクリーンに立ち、ボックスアウトをし、相手のパワードリブルを正面から受け止める。そんなスタッツに残らないプレーに誇りを持って、OQTを戦い抜こうとしている。

 

「今日はあのプレーがダメだったとか、そういう考えはまったくしなくなりました。もう何も落ち込むことはないです」

 

 チームの勝利のためなら泥にだってまみれる。母親になった大﨑は以前にも増して強くなった。そう感じさせる復帰戦だった。

 

 

(月刊バスケットボール/文・三上太、写真・加藤誠夫)



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