月刊バスケットボール6月号

大﨑佑圭が代表候補に復帰! 女子日本代表がオリンピック予選大会に向け強化中

 来る2月6~9日、ベルギーで開催される「FIBA 東京 2020 オリンピック予選大会」。日本はすでに東京オリンピックの出場が決定しているが、世界を相手に「チーム、個人の力がどこまで通用するか」(渡嘉敷来夢)を測り、経験値を積むべく戦いに挑む。世界ランキング10位の日本はまず同22位のスウェーデン、続いて9位のベルギー、最後は4位のカナダと対戦する日程だ。

 

 現在、女子日本代表チームは1月20~30日の11日間にわたり、都内で強化合宿を実施している。合宿には代表候補選手17名が参加。合宿3日目の1月22日、トム・ホーバスHCは「すごくいい雰囲気。新たに招集した選手も多いのでベーシックな練習から始めていますが、みんな頭がいいので思ったよりオフェンスのオプションを増やすことができています」と手応えを語った。

 

 

 代表候補選手の中でも、ひときわ注目を集めたのが大﨑佑圭だ。2018年、妊娠を発表してコートを離れ、JX-ENEOSを退社して育児に専念していたが、2年のブランクを乗り越えコートに戻ってきた。現在、娘は1歳1か月。娘の預け先や練習場所の確保など、復帰にはさまざまな障害があって「何度も諦めかけた」ことを明かしたが、「東京オリンピックを、何もチャレンジせずに見過ごすことはできないな、と。悩みましたが、背中を押してくれる人たちがいましたし、自分の中で『やってみる価値があるチャレンジだ』という言葉が腑に落ちました。今後の女性アスリートの道を切り開ければ」と語る。

 

「母と子の試練だと思っています」と、合宿中は香川にある旦那さんの実家に娘を預け、バスケットボールに集中。ホーバスHCも「チャンスは与えるけれど、簡単にはポジションを与えるつもりはない」と本人に伝えており、あくまで「トライアウトの身」(大﨑)としての日々だ。合宿では主にディフェンスに力を入れ、「ベテランらしく、ディフェンスの細かいところなどを徹底してトムさん(HC)に安心してもらえるように」と意気込む。

 

 また、最年少の19歳で代表候補に入ったのが東藤なな子(トヨタ紡織)。1対1の強さやディフェンスのフィジカルの強さを買われ、今回がA代表に初めての選出となった。「日本トップレベルの練習に参加させてもらって、先輩方の一つ一つの意識の高さや、集中力の質が全然違うなと。自分はそれを見て、たくさん吸収しようと思っています」と目を輝かせ、合宿でも積極的にプレー。練習中も、スタッフや他選手から多くのアドバイスを受けている様子だった。

 

 

 大﨑や吉田亜沙美(JX-ENEOS)といった頼もしいベテランの復帰、そして将来性の光る若手選手たちの台頭により、ますます激しい競争の中でレベルアップしている女子日本代表チーム。目標の「東京オリンピックでの金メダル獲得」(ホーバスHC)を見据え、来るオリンピック予選大会でも多くの収穫を得たいところだ。

 

(月刊バスケットボール)

 



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