月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2019】大会もラスト2日 男子4強が出そろう!

 今大会もすでに5日を消化し、残すところ2日。女子決勝は桜花学園vs.岐阜女の東海対決に。男子も今日の準々決勝の結果、福岡第一(福岡①)、福岡大附大濠(福岡②)、東山(京都①)、北陸(福井①)が各ブロックを勝ち上がり、4強に名を連ねた。

 

 注目の準決勝第1試合は福岡第一vs.東山。昨年のウインターカップ、今夏のインターハイに続いての対戦が実現した。大会前から優勝候補の大本命と目されてきた福岡第一は#8河村と#46小川の“高校界最強のツーガード”を軸に北陸学院(石川/94-58)、九州学院(熊本/104-59)、桜丘(愛知①/87-48)を撃破し、期待に違わぬ実力を示している。桜丘の江﨑コーチも「あれがBリーグに通ずる力だと感じました。どうにもならなかった。コンマ1秒でも遅れたらもうおしまい」と完敗を認めており、そのスピードと精度は今大会でも群を抜いている。

 

(#8河村を起点に盤石の戦いを見せる福岡第一)

 

 対する東山は東海大付相模(神奈川/98-59)、藤枝明誠(静岡/100-73)、豊浦(山口/66-44)と曲者ぞろいのトーナメントを勝ち上がり、今日の準々決勝では同じ近畿地区のライバル、報徳学園(兵庫/72-68)を終盤に突き放しての4強入り。大澤コーチは「このため(福岡第一戦)にやってきました。報徳学園の分も、女子の大阪薫英女学院や京都精華学園の分も、近畿代表として戦いたい。決勝の福岡対決が騒がれていますが、その前に『東山がいるぞ!』ということを見せたい」と、大一番に向けて静かに闘志を燃やす。

 

(#11米須が牽引する東山は福岡第一にどう立ち向かうか)

 

 福岡第一がこれまで同様に走り切るか、東山がハーフコートできっちりとゲームを組み立てるか、ハイスコアなら福岡第一、ロースコアなら東山。得点の推移からもどちらがゲームのテンポを握っているかが分かる一戦となるだろう。東山としては最強の呼び声も高い福岡第一に挑めるラストチャンスだけに、多くの注目を集めるカードとなることは必須。

 

 第2試合は大濠vs.北陸。大濠は開志国際(新潟①/82-76)、洛南(京都②/75-60)、延岡学園(宮崎/63-52)といった猛者たちを退けての準決勝進出。#14横地、#8木林ら3年生に加え、#13岩下ら下級生も活躍を見せており、経験という変えがたい財産を確実に蓄えている。「目の前の相手を全部倒すためにここにきました。開志国際に勝つことも重要、福岡第一との決勝、なんてことも言われますが、そこではない」と片峯コーチ。全部倒すまで残り2つだ。

 

(大濠はハイレベルな相手を次々になぎ倒してベスト4入り)

 

 その大濠を迎え撃つ北陸はインターハイに続いての明成戦(宮城①/86-65)を制し、4強に名を連ねた。4つのブロックの中で最も混戦が予想された右下ブロックで2回戦から長崎西(長崎/82-79)とあわやと思わせる死闘を演じたが、その競り合いを制したことで一気に加速。準々決勝でも前半を#12米本が、後半を#5高橋が引っ張り、二人で計15本の3Pシュートを命中させた。アウトサイドは水ものとよく言うが、彼ら二人を筆頭にシューターぞろいの北陸をひとたび波に乗せてしまえば、恐ろしいチームであることは間違いない。「夏は正直なところ、勢いで勝ち上がったという感じでした。でも、決勝でのあの悔しさがある」と#15土家。鹿児島の地で最終日までコートに立っているだけに、もう一歩の壁を最も痛感したチームこそ、北陸なのだ。

 

(#5高橋は準々決勝で3Pシュート8本を含む28得点)

 

 全国未開の地から激戦のトーナメントを駆け上がってきた大濠か、完敗を喫した夏の頂上決戦から這い上がってきた北陸か。舞台は違えど、ともに悔しい時間を味わった者同士の準決勝は勝利に対する意欲が最重要項目だろう。大濠としては北陸のシューター勢を、北陸としては大濠のエース#14横地を起点としたオフェンスをどう抑えていくかが試合展開に大きく影響することとなりそうだ。

 

 男子準決勝は第1試合が15:20、第2試合が17:00ティップオフだ。

 

 (月刊バスケットボール)



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