月刊バスケットボール5月号

【最新・月刊バスケットボール12月号】第31回チーム作りの達人たち 指導者Interview/安藤香織(大阪薫英女学院高)

 最新・月刊バスケットボール12月号では、指導者インタビューの第31弾として、大阪薫英女学院高女子バスケットボール部を率いる安藤香織氏が登場。

 

 2014年に永眠された故・長渡俊一氏から引き継ぎ、名門校の指揮官を任された安藤コーチ。公立高の豊島高などで磨いてきた指導力を存分に生かし、赴任4年目の昨冬には全国準優勝の好成績を挙げた。伝統を継承しながら自分らしい指導を続ける安藤コーチの、知られざるフィロソフィーとは--。(下記に一部抜粋)

 

 

中・高と府で結果を残し
大学卒業は指導者の道へ

 

――バスケットボールとの出会いを教えてください。

「中1の夏休みです。もともと小1から剣道をやっていて、いろいろな大会で優勝するくらい結構強かったので中学でも続ける気でした。でも偶然バスケットで地区の有名な先生が赴任してきて担任になり、熱心に誘われて…。はっきり断ろうと思って職員室に行って、そのまま断り切れずに入部しました(笑)。
当時はミニバス経験者のいない1年生チームでしたが、3年生のときの府の秋季大会ではミラクルを連発して決勝まで進みました。決勝の相手は薮内夏美さん(日立ハイテクHC)のいる中学で、そこにも奇跡的に勝って優勝できたんです。
私自身、剣道をやっている頃から相手との駆け引きが得意で、それはバスケットにも生かされましたね。体も小さいし体力もありませんでしたが、すごく負けず嫌いで、どうしたら勝てるかと作戦を考えていろいろ工夫するのが好きでした」

 

――そこから大塚高に進んで、3年時には大阪薫英女学院高を破ってインターハイに出場しましたね。

「いくつかの高校から声をかけてもらったのですが、どこが強いかなど全然知らなくて。それで親の勧めもあって、公立で体育科が新設されたばかりの大塚に進みました。
薫英との試合は、あと何回やっても勝てなかったと思います。奇跡の1回が、1発目に来た感じ。実は大塚は1つ上の代にメンバーがそろっていて、勝負の年でしたがベスト16で負けてしまったんです。私たちの代は正直、監督からも期待されていませんでした。でも自分としては、『何のためにこの学校に来たんだ』と。当時は練習が長かった上に家が遠くて、朝早くに家を出て夜遅く帰るような大変な3年間だったので、最後の年、何としても結果を出したかったんです。本気で頑張ろうと思ってみんなで私生活から見直して、奇跡的に薫英を倒すことができました。薫英は今年で24年連続のインターハイ出場ですが、私が指導者になってからは長渡先生によく『お前に負けてから何年だな…』と言われていましたね(笑)」



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