月刊バスケットボール5月号

【好評連載中!】今週の1枚 ~月刊バスケットボール編集部が過去に掲載してきた写真の中から1枚を厳選。当時の出来事や選手たちの活躍ぶりを振り返る(8)~

 このコーナーでは、今まで月バスが掲載してきた写真の中から、編集部が独自の感覚で1枚をピックアップ。その当時の出来事や、選手たちの活躍ぶりを振り返ります。

 

 今週はこの1枚を紹介!

 

 女子アジアカップ3連覇!

(2017年10月号より)

 

 

 

 9月24日からインド・バンガロールで開催された「FIBA 女子アジアカップ2019」で、4連覇を果たした女子日本代表。

 

 今回紹介するのは、2017年に3連覇を果たした瞬間の写真。大会名称が変わったほかに、この大会からオセアニア地区のチームも参加した本大会は、世界ランキング4位のオーストラリアも加わったため、激しいアジアNo.1争いに。しかし日本は、そのオーストラリアや中国、韓国などのライバルたちを『チーム力』で上回り、見事3連覇を果たしたのであった。

 

 2017年10月号の記事を一部抜粋し、女子日本代表の戦いぶりを振り返ってみよう。

 

 

 

 高さに対抗するディフェンスと

 速い展開のオフェンス

 

 「言っていたとおりでしょう。うちの“しつこい”バスケットができました」

 

 決勝戦後、ミックスゾーンに現れたトム・ホーバスヘッドコーチは、少し興奮気味に勝因を語った。

 

 今年度から女子日本代表のヘッドコーチに就任したホーバスヘッドコーチが、チーム発足時から掲げていたのが“しつこい”バスケット。日本語も堪能なホーバスヘッドコーチは英語の『Relentless』(リレントレス=執よう、容赦のないなどの意味)を日本語で“しつこい”と表現していた。今大会、参加チーム(上位リーグディビジョンA)のうち、平均身長が177cmと下から3番目の日本が187cmの中国や183cmのオーストラリアに対して勝利し、アジアカップ3連覇を達成できたのは、まさにこの“しつこさ”にあった。

 

 ホーバスヘッドコーチは、大会中、次戦の抱負を聞かれると、ほぼ毎日同じ内容で「ディフェンスから走る。うちのバスケットをやるだけ。いつも一緒ですよ」と答えていた。高さのハンデを補うために、日本にとっては生命線となるディフェンス。そして、オフェンスでは粘りのディフェンスから奪ったボールを一気に前線に送り速攻で得点を奪うなど、相手がディフェンスをする前に崩すアーリーオフェンスで得点。さらに、国内合宿の頃から重点的に強化してきたリバウンドでは、どうしても高さで劣るためボックスアウトをしている上から取られてしまうシーンもあったが、大一番の準決勝では中国との同数の41本。これは一定の成果が出たと言っていいだろう。

 

 このように、執ようなディフェンスに何度も何度もしつこく絡むリバウンド。そしてチャンスとあればこれでもかというぐらい走るオフェンス。どんなときも徹底して“しつこい”スタイルを貫いたことで、日本は勝機をつかんだのだった。

 

 

 来週もお楽しみに!

 

 

★今年行われた「FIBA 女子アジアカップ2019」の記事は下記をチェック!

 

【女子アジアカップ現地レポート】個々の力がチーム力として結実し、“深いバスケット”で果たした4連覇!

 

 

(月刊バスケットボール)

 



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