月刊バスケットボール5月号

【記者の目】12/28ウインターカップ2015〜熱戦必至の男子決勝戦へ〜

  大会も残すところあと1日。 準決勝を終えて、決勝カードは明成と土浦日本大による対戦に決まった。   この夏のインターハイでは明成が初優勝に輝き、秋の国体では土浦日本大主体の茨城が優勝している。国体決勝の再戦となる明日の決勝も、白熱した好ゲームが期待できるだろう。  

  また、国体の決勝だけでなく、明成の#8八村塁、土浦日本大の#4山崎、#10松脇には、中学時代からの因縁もある。2012年の埼玉全中では、八村のいる奥田中と山崎・松脇のいる西福岡中が決勝で対決し、72−55で西福岡中が優勝しているのだ。ちなみにこのとき松脇は3P7本を含む36得点と大爆発。明日もそんなシュートが火を吹くか、目が離せないキーマンである。決戦を前に松脇は、「高校は中学の頃とは違ってそんな簡単にはいかないことが多かったですが、今まで3年間やってきたことをやれば自分たちは優勝できると思っていたし、最後の大会に、本当に気持ちを込めて挑むようにしました。全中と同じように、勝って終わりたいと思います」と言う。   その松脇だけでなく、土浦日本大は得点力の高い#8杉本やツインタワーの#5平岩&#6軍司、安定感抜群の司令塔である山崎とタレント揃い。22年ぶりに決勝に進出し、今大会かなり勢いに乗っていると言えるだろう。初戦から準決勝までの4試合は脅威の平均97.8得点。チームが噛み合ったときの爆発力は手が付けられず、ほぼ100点ゲームで勝ち上がってきた。  

  一方、大会3連覇がかかる明成も、昨年2年生チームで全国制覇を果たし、八村をはじめ#6納見、#10三上といった不動のスタメンが質の高いバスケットを披露する。準々決勝の八王子学園八王子戦でやや苦しんだが、「頭が真っ白になるかな、と少し心配しましたが、選手たちは落ち着いていました。鍛えた甲斐があったなと思いました」と佐藤コーチが言うように、今年は3年生たちも精神的に成長を遂げ、落ち着いた戦いぶりに王者の貫禄を漂わせている。   明成は準決勝も余力を残した状態で勝ち上がっており、その実力はまだまだベールに包まれていると言えるだろう。エースの八村も、自分でガツガツ攻めるというより周囲へのアシストに徹する場面も多く、ここまで平均19.5得点と、彼にしては鳴りを潜めている印象だ。ただ、八村も同じ相手に三度負けるわけにはいかないと、明日は闘志を前面に出してその本領を遺憾なく発揮するはずである。   最後に笑うのはどちらのチームか。それぞれ今年度の2冠目が懸かる“真の王者”決定戦が、まもなくティップオフを迎える。   (月刊バスケットボール編集部)

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