月刊バスケットボール5月号

男女バスケットボール、2020東京オリンピック出場が決定!

3月30日深夜、JBA(日本バスケットボール協会)は男女日本代表チーム(5人制、3人制)のすべてのカテゴリーにおいて、開催国枠によるオリンピックへの出場権を得たことを報告した。コートジボワールで開催されたFIBA(国際バスケットボール連盟)のセントラルボード(中央理事会)にて審議され、現地にはセントラルボードのメンバーとして三屋裕子JBA会長が出席し、開催国枠獲得に向けてプレゼンテーションを行っていた。<続きを読む>

 3月30日深夜、JBA(日本バスケットボール協会)は男女日本代表チーム(5人制、3人制)のすべてのカテゴリーにおいて、開催国枠によるオリンピックへの出場権を得たことを報告した。コートジボワールで開催されたFIBA(国際バスケットボール連盟)のセントラルボード(中央理事会)にて審議され、現地にはセントラルボードのメンバーとして三屋裕子JBA会長が出席し、開催国枠獲得に向けてプレゼンテーションを行っていた。

 三屋会長は「本日、バスケットボール日本代表 (男子/女子)、3×3 バスケットボール日本代表(男子/女子) の東京2020オリンピックへの開催国枠での出場が決定いたしました。2014年11月26日にFIBAからの制裁に関する通知を受け、資格停止から長期的な強化計画を策定し、各種目でのオリンピック出場を目指して参りました。バスケットボールに関するすべての種目において出場権を獲得できたことは大変喜ばしく、また誇らしく思います。これまで日本代表の活動に多大なるご協力をいただきました方々に、心より感謝申し上げます。“バスケットボールで日本を元気にします” という理念を実現するため、東京2020オリンピックでの活躍を目指し、さらなるチーム強化に努めて参ります」と声明。

 バスケットボール競技は、オリンピックの開催国が自動的に出場権を得ることができず、大会ごとにFIBAのセントラルボードで審議され、決定する手順を踏む。そのため、開催国枠獲得へ向けて、超えなければならないハードルをFIBAから要求されていたのだ。その主な内容は日本のバスケットボール界を統括するJBAのガバナンスの向上、2つに分かれていた男子トップリーグの一本化、そして、代表チームの競技力の向上であった。前JBA会長である川淵三郎エグゼクティブアドバイザーによるJBAの改革、そしてBリーグの発足と、内政面ではハードルをクリアしてきたが、問題となったのは強化面。リオデジャネイロオリンピックにも出場、昨年の女子ワールドカップでも存在感を見せた女子代表は早くから当確が与えられていたが、男子代表は窮地に陥っていた。
 ワールドカップ(世界選手権)には自国開催となった2006年から、オリンピックに至っては1976年モントリオール大会以来出場できていない。さらに今夏開催されるワールドカップの予選においても、4連敗からスタートし、一次予選敗退直前まで追い込まれていたのだ。強化の一つの目安としてFIBAから求められていたのはワールドカップにおけるベスト16程度の実力である。女子代表は昨年のワールドカップにおいて惜しくもベスト8進出を逃した9位。対する男子はワールドカップ出場もおぼつかない状況だったのだ。
「神頼みしかなかった」と月刊バスケットボール最新号(2019年5月号)のインタビューで三屋会長は振り返り、JBAのオフィスに神棚を作ったことを明かしている。そんな状況を変えたのが昨年6月に開催されたワールドカップ予選のオーストラリア戦。当時世界ランク48位の日本が10位のオーストラリアから奇跡の勝利をあげたのだ。東野智弥技術委員長が「綱渡り」と語った奇跡の快進撃で、8連勝を遂げ一次予選、二次予選を勝ち抜きワールドカップ出場を決めたのである。
 この実績により胸を張ってオリンピックの開催国枠出場権を得た男子日本代表。まずは中国で開催される今夏のワールドカップで「世界を驚かせる戦いをしたい」(東野氏)という言葉どおり、世界に向けて日本のバスケットボールをアピールしたい。

(月刊バスケットボール)



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