月刊バスケットボール6月号

【記者の目】12/25ウインターカップ2015〜気持ちで決めたシュート〜

フリースローを2本沈め、床を叩いて喜びを表す中部大第一#8ザンに周りの選手たちが駆け寄った。  

    昨年大会準優勝、今大会も優勝候補の一角であった福岡大附大濠との一戦。 1Qで5点のリードを奪った中部大第一だったが、 「追いつかれるのは分かっていた」(常田コーチ)と、得点能力の高い大濠に2Qで逆転を許し、前半を終えて11点ビハインドとなっても戦うスタイルはブレなかった。   3Qで点差を詰めると、4Q終盤には大濠を捉える。 それでもそこはさすが大濠。4Q残り2分を切ってからはフリースローも含めて確実に加点。残り3秒、#9増田のフリースローで2点差とし、勝負を決したかに見えた。   だが、タイムアウト明け、ラストチャンスに懸けた中部大第一は、 残り0秒で#8ザンがフリースローのチャンスを得る。   とはいえ、1本でも外せば試合終了。負けが決定してしまう中、 #8ザンは見事に2本沈めて同点。延長へと持ち込んだ。 延長では#6中村の奮起もあった中部大第一が大接戦の末に勝利。 もつれにもつれた試合を制した。   試合後、#8ザンのフリースローについて 「フリースローが苦手な選手。あれは技術ではなく気持ちで決めたシュートですね」と、 中部大第一の常田コーチ。   その#8ザンを含め、冷静なゲームメイクと強いリーダーシップでけん引した#4遠藤に 力強いドライブを量産した#6中村。 そんな3年生たちの熱い思いが大きな大きな一勝を引き寄せたのだった。   なお、中部大第一は明日は正智深谷と対戦。 なんと相手には常田コーチの息子さん(#12常田耕平)がおり、 ベスト8を懸けて“親子対決”となる。   (月刊バスケットボール編集部)

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