【スペシャルインタビュー】長澤 壮太郎さん
頭脳戦を繰り広げるプレーオフ西決勝は事実上のNBAファイナル! 東決勝は古豪セルティックスが“キング”レブロンを圧倒!? 佳境を迎えたNBAプレーオフ2018も、残るは東西決勝とファイナルのみ。熱い戦いが繰り広げられる中、WOWOWのNBA中継でメインキャスターを務める長澤 壮太郎さんにここまでのプレーオフの振り返り、東西決勝の見どころ、頂上決戦NBAファイナルの予想までたっぷりとお話を聞きました。(取材日:2018年5月18日)
佳境を迎えたNBAプレーオフ2018も、残るは東西決勝とファイナルのみ。熱い戦いが繰り広げられる中、WOWOWのNBA中継でメインキャスターを務める長澤 壮太郎さんにここまでのプレーオフの振り返り、東西決勝の見どころ、頂上決戦NBAファイナルの予想までたっぷりとお話を聞きました。(取材日:2018年5月18日) ――ここまでのプレーオフですが、まずはウェスタンを振り返っていただけますか? 長澤 一番予想外だったのは、ポートランド・トレイルブレイザーズが4タテを食らったこと。すべての取材陣がポートランドの勝ち抜けを予想していたけど、ニューオーリンズ・ペリカンズがすべての予想を覆して勢いに乗りましたね。僕も7戦までもつれると思っていたので、まさか4連敗してしまうとは…。 あとは、オクラホマシティ・サンダーがかみ合わないままシーズン終わったのが予想外でした。どこかでスイッチが入ると願っていたのですが全くかみ合わず、カーメロ(・アンソニー)は最後までフィットせずに終わりました。サンダーは勝ち負けよりも今後チームをどう編成していくべきなのかなど、残った課題が大きくなってしまいました。 逆に躍進して凄かったのが、ユタ・ジャズ。今まで、一つも二つもピースが足りないと言われていたチームに、まさかの新人ドノバン・ミッチェルがチームを背負うという異例の事態ながらも、嬉しい誤算。クイン・スナイダーの指揮官ぶりというのもすごくチームを結束させたので、(西準決勝でヒューストン・ロケッツに)負けはしたけど彼らにとっては好材料だらけの前向きな倒れ方でした。来年以降のユタにはすごく期待できます。 そして、(西決勝は)僕らがずっと期待していたゴールデンステイト・ウォリアーズ対ロケッツの組み合わせになりました。ウォリアーズは黄金時代を築いていて、ここ10年でも一番完成度の高いチームではないかと言われています。そのウォリアーズに対して白旗を上げるのではなく、それを倒すためにすべてをつぎ込んで、あと一歩で悔しい思いをしてきた集団がロケッツです。特に今季はウォリアーズを倒すことだけを考えてデザインされたチームですし、レギュラーシーズンも1位を取りました。このウェスタン決勝が事実上のファイナルかと思うくらいクオリティの高い試合になっていますね」
――一方のイースタンはいかがでしょうか? 長澤 レギュラーシーズンから強いというのは分かっていたのですが、全盛期を考えるとまだ時期尚早なボストン・セルティックスが予想以上に結果を出しています。戦い方もすごく、ブラッド・スティーブンスの知将としての表れが出ています。1回戦のミルウォーキー・バックス戦では、エースのヤニス・アデトクンボだけに点を取らせて、他の4人を凍結させました。次戦(準決勝)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦ではジョエル・エンビードだけに活躍させて、それ以外を凍結。ベン・シモンズだけ集中的に抑えました。戦略がズバリとはまりましたよね。スティーブンスヘッドコーチの徹底した戦術に対して、若いセルティックスの選手が日に日に成長しています。 セルティックスはこの先黄金時代を築いていくと思います。変な話、(ケガでプレーオフに出場していない)カイリー・アービング、ゴードン・ヘイワードのスター選手のうち、どちらか一人をトレードに出したとして、例えばアービングなら40億円くらいロスター(チームの公式戦に出場できる資格を持つ選手枠)に空きが出ます。でも、ゼネラルマネジャー(GM)のダニー・エインジの何が凄いかと言うと、どちらかを出さなくても、現時点で50億円の余剰があるロスターで、向こう7年のドラフト1巡指名権も保持しています。これから伸びる要素しかないのです。そしてもう少し付け足せば、スティーブンスの存在で選手の能力が3割増しになっていますし、地元ボストンの声援で、ホームゲームでは+3.5点くらいのアドバンテージをもらってからティップオフ(ジャンプボール)しているように感じます。いま、ボストンという街にはマジックがあります。 そのセルティックスに負けはしましたが、フィラデルフィア・センブンティシクサーズの若手の存在は、ウェスタンに匹敵するほどの力を付けてくると思います。 (第1シードの)トロント・ラプターズは、ドウェイン・ケイシーのインゲームでのアジャストの弱さが露呈してしまいました。良いチームだし、やってきたこともすべて合っています。選手の育て方、生え抜きの育て方、選手の獲得の仕方、攻防もしっかりやりカルチャー作りもうまくやりました。唯一やれなかったことが、プレーオフでのレブロンへのアジャスト。だから、僕は(5月11日の)解任というのは正当なものではなかったと思います。何も変えなくて、3年連続で(キャバリアーズに)負けたならしょうがないですけど、すべての文化を変えてでしたからね。
――東準決勝でそのラプターズを4タテしたキャバリアーズの調子はいかがでしょうか? 長澤 順当勝ちだとは思います。1回戦でインディアナ・ペイサーズにギリギリの4勝3敗で勝って、準決勝の4勝0敗は出来すぎだと思いましたが、どんどん調子を上げてくるのだと思いました。ただ、セルティックスとの2戦を見る限り、スイッチが入らないまま終わってしまうのかなという印象が強かったです。レブロンは今まで応援する必要がない選手だと思っていました。僕の応援なんていらなく、放っておいても勝ち続けると思っていましたから。でも、今はちょっと応援しないといけないなという不安な気持ちになりました。それが由々しき問題です。周囲があまりにも不甲斐ないです。 ――プレーオフ東決勝の話に移ります。レブロンは初戦で15得点、第2戦42得点、10リバウンド、12アシストのトリプルダブルの活躍。レブロンの調子はどうなのでしょうか? 長澤 レブロンは不調ではないです。このシリーズで、2戦目にモンスター級の活躍をするのは現地でも周知の事実でした。トリスタン・トンプソンもケビン・ラブも、もがきながらも泥臭く頑張っています。そこは責められない。僕は、JR・スミス、ジョージ・ヒルに加えて、ラリー・ナンスJr.らベンチメンバーが問題だと思っています。(第2戦は)合わせても15得点未満です。先発のSG選手が得点よりテクニカルファウルが多いのは異常ですよ。あってはならないことです。 (ベンチで)頼りになるのはカイル・コーバーくらいです。そこがだらしないから、スミスとかチャンピオンリングを持っている連中がけじめをつけてしっかりやらないといけません。キャバリアーズが勝つためには、スミスらの奮起が欠かせないです。 ――セルティックスがエースのカイリー・アービング不在ながらも快進撃を続けています。キャバリアーズ相手に2連勝です。好調の要因は? 長澤 やはり、ディフェンスですよ。全員が全員、自分たちの仕事をしています。アル・ホーフォード、マーカス・スマートのディフェンスでの見えないところでのプレーが、チーム力につながっています。セルティックスはスタイル的にいうと、小さいウォリアーズみたいです。3Pシュートが入れば勝つし、ディフェンスは崩れない。逆に3Pシュートが入らなければ、焦って負けてしまうかもしれないチームなのです。正しいことを勤勉にやっているチームのイメージで、大きく崩れることがありません。今でいうと、中心はジェイソン・テイタムでしょうか。スティーブンスヘッドコーチのもと、新人が伸び伸びプレーできていることが、チーム力の証だと見ています。
――プレーオフ西決勝についてもお聞きします。ロケッツとウォリアーズの特徴はいかがですか? この先、どのような展開になると思いますか? 長澤 ウォリアーズは全員がシューター。いわゆるハンプトン5と言われているステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーン、アンドレ・イグダーラ。そしてディフェンスがしっかりしている。だから爆発力があるのです。 ここまでなると、ウォリアーズに勝てるチームがあるのかと思いますが、先ほども少し話しましたが、唯一彼らに勝つためにチームをデザインしてきたのがロケッツです。今の流れに反して、アイソレーションが世界一うまい2人(ジェームズ・ハーデンとクリス・ポール)とディフェンダーと3Pシューターを集めました。ボールを回しつつ、アイソレーションを挑んだりします。マイク・ダントーニ監督も彼の代名詞だったラン&ガンオフェンスを捨ててまで、新しいロケッツのチームを作ってウォリアーズに対抗しています。 この2チームのマッチアップは、将棋のように数手先までの読み合いです。スイッチ合戦を展開するのか、それともボールを回して空いているシューターが打つのか。お互いが読み合い、探り合いです。試合のどこかで10‐0のランを作ったら、どっちもそれを覆されることなく試合を終わらせられる自信を持っています。ダントーニ監督もスティーブ・カー監督も5‐0、7‐0のランを早めに持ってくる。練ってきたゲームプランが上手くいっていないと思うとすぐにタイムアウトを取って、そのゲームプランをすぐに投げ出して別のゲームプランを持ってくるくらい、すさまじいスピードで作戦を練っています。1Qからお互いの頭脳戦から目が離せません。ちょっとした綻びを先に見つけたほうが勝ちます。1秒の過ちが致命的なミスになる戦いです。このシリーズは歴史に残るマッチアップだと僕は感じています。 ――NBAファイナルのカードを予想してください。 長澤 予想というか希望は、4年連続でウォリアーズ対キャバリアーズ。先ほども言ったように、セルティックスは、ウォリアーズの小さい版です。なので、大人のウォリアーズと対戦してもペリカンズと同じ結果になると思います。そして、ケビン・デュラントは止められないですね。本当にすごいです。このフレームにこの技術を与えてしまったらズルです。
――優勝チームをずばり予想してください。 長澤 ウォリアーズに勝ってほしいです。ウォリアーズは2連覇していませんから。史上最強軍団と言われながら、このままだと歴史を振り返った時にケチがつくかもしれません。シカゴ・ブルズもロサンゼルス・レイカーズも3連覇しています。そのレベルで胸を張りたいなら、リピートくらいさらっとやらないといけないと思います。 ◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆ 超絶ドラマチック! NBAバスケットボール 東西プレーオフ決勝好評放送中 6月は17-18シーズンのフィナーレ! 頂上決戦!NBAファイナル全試合放送 オリジナル企画満載でスペシャルゲストも予定 6/2(土)午前9:45~「第1戦」 [好評企画] 番組キャスター長澤壮太郎のSO!スポNBA 他 第2戦::6/5(火)、第3戦::6/8(金)、第4戦:6/10(日)、第5戦:6/13(水)、第6戦:6/16(土)、第7戦:6/19(火) ※すべて試合翌日の録画放送になります。ご了承ください。 第5戦以降は休止の場合あり。 超絶NBAダイジェスト!(毎週月曜よる放送) プレーオフ1週間の動向を試合ハイライトで振り返る 詳しくは WOWOW NBA 検索 http://www.wowow.co.jp/sports/nba/ インタビュー情報提供/WOWOW http://www.wowow.co.jp/sports/nba/ (月刊バスケットボール)
佳境を迎えたNBAプレーオフ2018も、残るは東西決勝とファイナルのみ。熱い戦いが繰り広げられる中、WOWOWのNBA中継でメインキャスターを務める長澤 壮太郎さんにここまでのプレーオフの振り返り、東西決勝の見どころ、頂上決戦NBAファイナルの予想までたっぷりとお話を聞きました。(取材日:2018年5月18日) ――ここまでのプレーオフですが、まずはウェスタンを振り返っていただけますか? 長澤 一番予想外だったのは、ポートランド・トレイルブレイザーズが4タテを食らったこと。すべての取材陣がポートランドの勝ち抜けを予想していたけど、ニューオーリンズ・ペリカンズがすべての予想を覆して勢いに乗りましたね。僕も7戦までもつれると思っていたので、まさか4連敗してしまうとは…。 あとは、オクラホマシティ・サンダーがかみ合わないままシーズン終わったのが予想外でした。どこかでスイッチが入ると願っていたのですが全くかみ合わず、カーメロ(・アンソニー)は最後までフィットせずに終わりました。サンダーは勝ち負けよりも今後チームをどう編成していくべきなのかなど、残った課題が大きくなってしまいました。 逆に躍進して凄かったのが、ユタ・ジャズ。今まで、一つも二つもピースが足りないと言われていたチームに、まさかの新人ドノバン・ミッチェルがチームを背負うという異例の事態ながらも、嬉しい誤算。クイン・スナイダーの指揮官ぶりというのもすごくチームを結束させたので、(西準決勝でヒューストン・ロケッツに)負けはしたけど彼らにとっては好材料だらけの前向きな倒れ方でした。来年以降のユタにはすごく期待できます。 そして、(西決勝は)僕らがずっと期待していたゴールデンステイト・ウォリアーズ対ロケッツの組み合わせになりました。ウォリアーズは黄金時代を築いていて、ここ10年でも一番完成度の高いチームではないかと言われています。そのウォリアーズに対して白旗を上げるのではなく、それを倒すためにすべてをつぎ込んで、あと一歩で悔しい思いをしてきた集団がロケッツです。特に今季はウォリアーズを倒すことだけを考えてデザインされたチームですし、レギュラーシーズンも1位を取りました。このウェスタン決勝が事実上のファイナルかと思うくらいクオリティの高い試合になっていますね」
――一方のイースタンはいかがでしょうか? 長澤 レギュラーシーズンから強いというのは分かっていたのですが、全盛期を考えるとまだ時期尚早なボストン・セルティックスが予想以上に結果を出しています。戦い方もすごく、ブラッド・スティーブンスの知将としての表れが出ています。1回戦のミルウォーキー・バックス戦では、エースのヤニス・アデトクンボだけに点を取らせて、他の4人を凍結させました。次戦(準決勝)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦ではジョエル・エンビードだけに活躍させて、それ以外を凍結。ベン・シモンズだけ集中的に抑えました。戦略がズバリとはまりましたよね。スティーブンスヘッドコーチの徹底した戦術に対して、若いセルティックスの選手が日に日に成長しています。 セルティックスはこの先黄金時代を築いていくと思います。変な話、(ケガでプレーオフに出場していない)カイリー・アービング、ゴードン・ヘイワードのスター選手のうち、どちらか一人をトレードに出したとして、例えばアービングなら40億円くらいロスター(チームの公式戦に出場できる資格を持つ選手枠)に空きが出ます。でも、ゼネラルマネジャー(GM)のダニー・エインジの何が凄いかと言うと、どちらかを出さなくても、現時点で50億円の余剰があるロスターで、向こう7年のドラフト1巡指名権も保持しています。これから伸びる要素しかないのです。そしてもう少し付け足せば、スティーブンスの存在で選手の能力が3割増しになっていますし、地元ボストンの声援で、ホームゲームでは+3.5点くらいのアドバンテージをもらってからティップオフ(ジャンプボール)しているように感じます。いま、ボストンという街にはマジックがあります。 そのセルティックスに負けはしましたが、フィラデルフィア・センブンティシクサーズの若手の存在は、ウェスタンに匹敵するほどの力を付けてくると思います。 (第1シードの)トロント・ラプターズは、ドウェイン・ケイシーのインゲームでのアジャストの弱さが露呈してしまいました。良いチームだし、やってきたこともすべて合っています。選手の育て方、生え抜きの育て方、選手の獲得の仕方、攻防もしっかりやりカルチャー作りもうまくやりました。唯一やれなかったことが、プレーオフでのレブロンへのアジャスト。だから、僕は(5月11日の)解任というのは正当なものではなかったと思います。何も変えなくて、3年連続で(キャバリアーズに)負けたならしょうがないですけど、すべての文化を変えてでしたからね。
――東準決勝でそのラプターズを4タテしたキャバリアーズの調子はいかがでしょうか? 長澤 順当勝ちだとは思います。1回戦でインディアナ・ペイサーズにギリギリの4勝3敗で勝って、準決勝の4勝0敗は出来すぎだと思いましたが、どんどん調子を上げてくるのだと思いました。ただ、セルティックスとの2戦を見る限り、スイッチが入らないまま終わってしまうのかなという印象が強かったです。レブロンは今まで応援する必要がない選手だと思っていました。僕の応援なんていらなく、放っておいても勝ち続けると思っていましたから。でも、今はちょっと応援しないといけないなという不安な気持ちになりました。それが由々しき問題です。周囲があまりにも不甲斐ないです。 ――プレーオフ東決勝の話に移ります。レブロンは初戦で15得点、第2戦42得点、10リバウンド、12アシストのトリプルダブルの活躍。レブロンの調子はどうなのでしょうか? 長澤 レブロンは不調ではないです。このシリーズで、2戦目にモンスター級の活躍をするのは現地でも周知の事実でした。トリスタン・トンプソンもケビン・ラブも、もがきながらも泥臭く頑張っています。そこは責められない。僕は、JR・スミス、ジョージ・ヒルに加えて、ラリー・ナンスJr.らベンチメンバーが問題だと思っています。(第2戦は)合わせても15得点未満です。先発のSG選手が得点よりテクニカルファウルが多いのは異常ですよ。あってはならないことです。 (ベンチで)頼りになるのはカイル・コーバーくらいです。そこがだらしないから、スミスとかチャンピオンリングを持っている連中がけじめをつけてしっかりやらないといけません。キャバリアーズが勝つためには、スミスらの奮起が欠かせないです。 ――セルティックスがエースのカイリー・アービング不在ながらも快進撃を続けています。キャバリアーズ相手に2連勝です。好調の要因は? 長澤 やはり、ディフェンスですよ。全員が全員、自分たちの仕事をしています。アル・ホーフォード、マーカス・スマートのディフェンスでの見えないところでのプレーが、チーム力につながっています。セルティックスはスタイル的にいうと、小さいウォリアーズみたいです。3Pシュートが入れば勝つし、ディフェンスは崩れない。逆に3Pシュートが入らなければ、焦って負けてしまうかもしれないチームなのです。正しいことを勤勉にやっているチームのイメージで、大きく崩れることがありません。今でいうと、中心はジェイソン・テイタムでしょうか。スティーブンスヘッドコーチのもと、新人が伸び伸びプレーできていることが、チーム力の証だと見ています。
――プレーオフ西決勝についてもお聞きします。ロケッツとウォリアーズの特徴はいかがですか? この先、どのような展開になると思いますか? 長澤 ウォリアーズは全員がシューター。いわゆるハンプトン5と言われているステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーン、アンドレ・イグダーラ。そしてディフェンスがしっかりしている。だから爆発力があるのです。 ここまでなると、ウォリアーズに勝てるチームがあるのかと思いますが、先ほども少し話しましたが、唯一彼らに勝つためにチームをデザインしてきたのがロケッツです。今の流れに反して、アイソレーションが世界一うまい2人(ジェームズ・ハーデンとクリス・ポール)とディフェンダーと3Pシューターを集めました。ボールを回しつつ、アイソレーションを挑んだりします。マイク・ダントーニ監督も彼の代名詞だったラン&ガンオフェンスを捨ててまで、新しいロケッツのチームを作ってウォリアーズに対抗しています。 この2チームのマッチアップは、将棋のように数手先までの読み合いです。スイッチ合戦を展開するのか、それともボールを回して空いているシューターが打つのか。お互いが読み合い、探り合いです。試合のどこかで10‐0のランを作ったら、どっちもそれを覆されることなく試合を終わらせられる自信を持っています。ダントーニ監督もスティーブ・カー監督も5‐0、7‐0のランを早めに持ってくる。練ってきたゲームプランが上手くいっていないと思うとすぐにタイムアウトを取って、そのゲームプランをすぐに投げ出して別のゲームプランを持ってくるくらい、すさまじいスピードで作戦を練っています。1Qからお互いの頭脳戦から目が離せません。ちょっとした綻びを先に見つけたほうが勝ちます。1秒の過ちが致命的なミスになる戦いです。このシリーズは歴史に残るマッチアップだと僕は感じています。 ――NBAファイナルのカードを予想してください。 長澤 予想というか希望は、4年連続でウォリアーズ対キャバリアーズ。先ほども言ったように、セルティックスは、ウォリアーズの小さい版です。なので、大人のウォリアーズと対戦してもペリカンズと同じ結果になると思います。そして、ケビン・デュラントは止められないですね。本当にすごいです。このフレームにこの技術を与えてしまったらズルです。
――優勝チームをずばり予想してください。 長澤 ウォリアーズに勝ってほしいです。ウォリアーズは2連覇していませんから。史上最強軍団と言われながら、このままだと歴史を振り返った時にケチがつくかもしれません。シカゴ・ブルズもロサンゼルス・レイカーズも3連覇しています。そのレベルで胸を張りたいなら、リピートくらいさらっとやらないといけないと思います。 ◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆ 超絶ドラマチック! NBAバスケットボール 東西プレーオフ決勝好評放送中 6月は17-18シーズンのフィナーレ! 頂上決戦!NBAファイナル全試合放送 オリジナル企画満載でスペシャルゲストも予定 6/2(土)午前9:45~「第1戦」 [好評企画] 番組キャスター長澤壮太郎のSO!スポNBA 他 第2戦::6/5(火)、第3戦::6/8(金)、第4戦:6/10(日)、第5戦:6/13(水)、第6戦:6/16(土)、第7戦:6/19(火) ※すべて試合翌日の録画放送になります。ご了承ください。 第5戦以降は休止の場合あり。 超絶NBAダイジェスト!(毎週月曜よる放送) プレーオフ1週間の動向を試合ハイライトで振り返る 詳しくは WOWOW NBA 検索 http://www.wowow.co.jp/sports/nba/ インタビュー情報提供/WOWOW http://www.wowow.co.jp/sports/nba/ (月刊バスケットボール)