月刊バスケットボール5月号

【能代カップ2018】現地レポート5/3「大将に捧ぐ3年ぶりの白星」

ゴールデンウィークの風物詩、第31回能代カップがいよいよ開幕した。今年も5月3〜5日の3日間、全国の強豪高校6チーム(※女子は5チーム)が秋田県能代市に集い、総当たりのリーグ戦で頂点を競う。   オープニングゲーム、能代工vs.市船橋の試合は、ともに新指揮官を新たに迎え、転換期にあるチーム同士の対決となった。  
ゴールデンウィークの風物詩、第31回能代カップがいよいよ開幕した。今年も5月3〜5日の3日間、全国の強豪高校6チーム(※女子は5チーム)が秋田県能代市に集い、総当たりのリーグ戦で頂点を競う。   オープニングゲーム、能代工vs.市船橋の試合は、ともに新指揮官を新たに迎え、転換期にあるチーム同士の対決となった。   先に主導権を握ったのは、序盤から高確率で外角のシュートを沈めた能代工。だが市船橋も9点ビハインドで入った2Q序盤、激しいディフェンスで相手のミスを誘い、⑧大川や④薬丸のシュートで連続得点に成功して逆転する。それでも能代工は、⑨佐藤や⑩秋元の3Pシュートで苦しい流れを立て直し、45-35とリードを広げて後半へ。その後も、追い付かれそうなところで⑦齋藤のジャンプシュートや⑤新田の速攻で逆転を許さなかった能代工が、最後は突き放して86-72で勝利を挙げた。  

  この1勝、能代カップで過去2年間全敗していた能代工にとっては、実に3年ぶりの白星となった。小野秀二Aコーチは、「(1年生の頃から試合に出ていた)3年生の新田などは、“1、2年生のときに勝っていない”という悔しさが自分の中にあったのかなと。非常にいい集中力を持ってプレーしてくれました」と評する。   また、そんな過去2年間の悔しさだけでなく、能代工にはどうしても勝ちたい理由があった。言わずもがな、今年3月に亡くなった元能代工監督・加藤廣志氏への追悼の思いである。   「(加藤廣志先生に)能代カップで今のチームを見てもらいたいと思ってやってきたので、見てほしかったですね。またアドバイスが欲しかった」と、小野Aコーチは寂しそうにそう話す。“大将”のいない、初めての能代カップ。毎年、加藤氏が背筋をピンと伸ばして試合を見つめていた舞台の壇上には、氏の遺影が置かれている。亡き加藤氏のためにも、喪章をユニホームに付け、新体制となって再スタートを切った能代工にとっては意地でも勝たなければならない開幕ゲームだったのだ。小野Aコーチが「いつもよりシュートタッチが良かったですね」と評価する全員の集中力は、そうした湧き上がる強い思いから生まれたものだろう。   久しぶりの白星を手にし、地元ファンが駆けつけた会場は第1試合から大いに沸いたが、能代カップはまだ始まったばかり。さらなる白星を勝ち取るため、そして今後の全国大会へとつながる収穫を得るために、能代工は復活を期して強豪チームに挑む。  

  ※詳しくは能代カップWEBページへ。 https://ncup.snowland.net/2018/   (月刊バスケットボール編集部)  

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