月刊バスケットボール5月号

FIBAワールドカップ2019アジア地区1次予選/Window2情報⑤

2月25日/日本×フィリピンREPORT 残り31秒で2点差に迫るも最終的に5点差で敗退!Window3に最後の望みをかける!!  

アイラ・ブラウンは攻守に持ち味を発揮している/©FIBA    2月22日、チャイニーズ・タイペイをホームに迎え1点差(69‐70)で敗れた日本。これで1次予選突破が厳しい状況となり、試合後はほとんどの選手がショックを受け止めていたが、まだ可能性がゼロになったわけではない。3日後に行われるアウェイでのフィリピン戦に向け、翌23日には現地へ向け飛び立って行った。    そして迎えたフィリピンとの一戦。2万人を収容するモール・オブ・アジア・アリーナは完全アウェイだったが、日本は#7篠山竜青(川崎)のドライブでさい先良く先制。その後も体を張ったディフェンスで相手の得点を防ぎ、オフェンスではうまくスペースを使った攻撃で着実に得点。開始5分で20‐4と最高のスタートを切る。    しかしフィリピンがメンバーを代えてくると、その控えの選手が躍動。日本はその勢いを止めることができず、逆にリズムが悪くなったことで攻撃面でも停滞。2Q開始早々には逆転され、開始3分で22‐34と大きく引き離されてしまう。
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ここまで平均18.5得点とエースにふさわしい活躍を見せている比江島/©FIBA    その後は、日本が#6比江島 慎(三河)や#35アイラ・ブラウン(琉球)で追い上げを見せれば、フィリピンは#11ブラッチ、#18ロサリオで粘るという一進一退の展開に。そのまま試合時間残り4分33秒となり、日本は71‐85と大きくビハインド。1Q中盤~2Q中盤での差が尾を引く厳しい状況となってしまった。    しかし、ここから驚異の粘りを見せたのが日本。リードされつつも集中力を切らさなかったことで、飛び込みリバウンドなどでセカンドチャンスを生み出せるようになり、また、#24田中大貴(A東京)のミドルシュートやブラウンの3Pシュートが決まったこともありフィリピンとの差をみるみる詰めていく。そして田中の2本の速攻で、残り31秒には84‐86と1ゴール差まで迫って見せた。    そして迎えた勝負所。フィリピンのオフェンスを守り切れば日本に勝機が見えてくる重要な局面だったが、ショットクロックのギリギリで攻め込んできたエース#7ウィリアムが、篠山の粘り強いマークを受けつつも、難しい体勢で放ったフローターがネットインしフィリピンが88‐84と4点のリード。その後日本は、最後の望みを託した田中の3Pシュートが決まらず、逆にフィリピンにワンスローを許し結局84‐89で敗退。これで日本は1次予選4連敗となり、2次予選進出に向け窮地に立つことになった。
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Window3ではチーム一丸となって初勝利を掴んでほしい/©FIBA    この4戦を振り返ったとき、日本の課題として明確なのは“リバウンド”だ。高さで劣るオーストラリアとフィリピンにおくれをとるのはまだしも、体格が同クラスのチャイニーズ・タイペイに数字の上で上回られたのは痛かった。このリバウンド、日本の長年の課題ということもあり選手も意識はしているのだが、まだまだボールの行方を追っているケースが多い。まずは相手をしっかりボックスアウトして、“取る”のではなく“取らせない”技術、そして目の前に来たボールに飛び付くという気持ちの強さが必要だ。    また、リバウンドで劣ることが分かっているぶん、本来であればフリースローでコツコツと点を積み上げなければならないのだが、Window2の日本のフリースロー成功率を見ると2戦ともに6割台という数字。最終的に1点差、5点差で勝利を逃していることから、“フリースローをしっかり決める”ということが重要なのは明白だ。また、ボールをファンブルして速攻につなげられなかったり、スクリーンアウトを怠って相手にリバウンドを奪われたりと、スタッツには表れないミスが多いのも事実。体格で劣る日本が本来やらなければならないことが徹底されていないことも、勝利を掴み取れない足かせになっている。    ただシリーズを通して、比江島の活躍やディフェンスの強度、選手間の呼吸が徐々に合い始めているのは光明だ。次回のWindow3はBリーグのシーズンが終了後の6月29日(ホーム・オーストラリア戦)と7月2日(アウェイ・チャイニーズ・タイペイ戦)。オーストラリア戦は難しいものの、チャイニーズ・タイペイ戦に勝利できなければ、ワールドカップはおろか2020年の東京五輪も出場できない可能性が高い。ケガ人も含め、現在海外でプレーする全選手の力を結集させて、2次予選の扉をこじ開けたいところだ。   【試合結果/開催地:フィリピン】 日本 84-89 フィリピンJPN|22|19|20|23|= 84PHI |21|25|26|17|= 89     ▼スポナビライブの見逃し配信はこちらから https://sports.mb.softbank.jp/live/player/17656   (月刊バスケットボール)  

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