【インタビュー】立川ダイス/陸川章HC 「選手たちが行きたいところに導いていくのがコーチ」

東海大を率いて25年。数々の功績を残した大学界の名将・陸川章氏が、プロの舞台に活躍の場を移した。B3優勝の勢いそのままに、新リーグBワンに乗り込んできた立川ダイスは、新たに陸川氏をヘッドコーチに迎え、戦いに挑んでいる。陸川氏の決断の背景、そして立川での展望を聞いた。
こちらのインタビューは『月刊バスケットボール2026年12月号』掲載の冒頭です。全文は誌面にてご覧ください。
プロでも変わらぬ指導法
人との対話を大切に
「もちろん、もっと勉強しなきゃいけないし、視野を広げなきゃいけないなと思います。でも、『プロコーチだから何なの?』って。コーチはコーチです。選手たちが行きたいところに導いていくのがコーチ。それはプロでもアマチュアでも変わりません」
そう語る陸川章HCの表情は穏やかで、しかし力強かった。
東海大を率いて25年。監督就任当時はまだ強豪ではなかった同大を、7度の日本一に導いた。竹内譲次や西村文男、田中大貴、河村勇輝といった日本代表選手をはじめ、数え切れないほどの選手やスタッフをトップカテゴリーに送り出した功績は今さら語るまでもないだろう。そんな大学界の名将は、立川ダイスの新ヘッドコーチとなっても自身の指導法をぶらすことはない。
コミュニケーションを積み重ね、時に強烈に印象深い言葉を残す。そうして選手たちのモチベーションを上げ、組織力を高めて東海大を何度も頂点に導いてきた。立川でも変わらず対話を大切にする。日本人選手とも、外国籍選手とも、スタッフともだ。「アプローチの仕方自体は変わりませんね。人の考え方やマインドセットはすごく大事だと思っています。ただ、熱くなる人と弱気になる人がいるので、今後はより考えていかなければなりません。そこはBリーグでの経験ある人たちから情報を聞くようにしていて、すごく良いアドバイスをもらえます」と陸川HC。どれだけの功績を残しても、プロの世界では「オールドルーキー」だと笑う。だからこそ、選手や、自分よりもはるかに若いスタッフたちからも学ぶ。外国籍選手も同様だ。
「彼らのIQの高さや経験値を、『逆に私に教えてほしい』と話しています。通訳を介して常に会話をしていて、良いものは採用します。やっぱりコミュニケーションがすごく大事。ただ、ダメなものはダメです。『うちはそういうチームじゃない。ここで崩されるとチームが崩れる』と厳しいことも当然言います」。単純な選手個々の力量の足し算では、強いチームは作れない。信頼関係を少しずつ構築した先に真に強い集団ができていく。それを、自らが四半世紀にわたって体感してきたから、同様のアプローチをプロでも続けていくのだ。
夏場には選手一人一人と面談をしたという。その中で練習内容についてのヒアリングをし、選手個人の特性などを知り、そしてもう一つ、「それぞれの夢を聞いた」と陸川HC。「今のチームは20代の選手がほとんどなので、個人の目標は高く持っていいと思います。Bプレミアでプレーしたい、日本代表に入りたい、海外で活躍したい、NBAを目指したい…とか。そういう選手が出てきてほしいです。ドラフトで指名されればBプレミアでプレーできますが、指名されなくても能力が高くて可能性のある選手はたくさんいますから、ダイスがそういう選手たち(が上を目指すため)の登竜門になっていけたらと。選手の育成という意味では大学の頃と似ている感覚もあります」
もちろん、良い選手を育てて輩出していくだけでは、クラブ自体の価値向上にはつながりにくい。そこには「まずはその土壌作りをして、いずれは自分たちがBプレミアに参入し、今度はみんなからダイスに来たいと思ってもらう」(陸川HC)というゴールがなくてはならない。
続きは『月刊バスケットボール2026年12月号』をご覧ください。
写真/山岡邦彦、文/堀内涼










