月刊バスケットボール9月号

JBA公式サイトがランサム被害、島田会長「元環境の復旧は難しい」新環境で再構築へ

ランサム被害、元データ復元は困難


日本バスケットボール協会(JBA)は10月14日、オンラインにて10月度のメディアブリーフィングを開催。10月7日未明から続いている協会公式サイトおよび各種大会特設サイトのシステム障害について、経緯と今後の対応方針を説明した。

障害の原因は、サイト運用委託先が利用しているIDCフロンティアのクラウド基盤「IDCFクラウド」に対する第三者からのランサムウェア攻撃(不正アクセス)だ。10月7日午前3時40分頃に発生し、同クラウドの東日本リージョン1の一部ゾーンで仮想サーバーの停止やデータ破損が発生。同協会を含む多くの企業・自治体に甚大な影響が及んでいる。

島田慎二会長は「委託先が運用データとバックアップを同一のクラウドスペースで保管しており、手元に複製がなかったため、元に戻せない状態となってしまいました」と経緯を明かした。事業者側でのデータ復元も困難とされており、JBAは既存環境の復旧を断念し、別の新しい環境にサイトを再構築する方針へと切り替えた。


進捗を説明するIDCFクラウドのリリース(オフィシャルサイトより)



大会日程に影響なし、競技データは保全


懸念される個人情報の漏えいリスクについて、JBAは公式サイトの問い合わせフォームから過去に送信された「氏名、電話番号、メールアドレス、問い合わせ内容」が、当該サーバー内のデータベースに保存されていたことを明らかにした。その上で島田会長は「10月9日時点で、事業者側からデータの外部流出を示す事象は確認されていないと報告を受けていますが、現在も調査を継続しています」と説明。なお、ファンクラブの会員情報やクレジットカード情報などはそもそも当該サーバー内に保管されておらず、今回の障害による流出リスクの対象外であることが強調された。

また、近日中に予定されているウインターカップ予選や天皇杯・皇后杯などの主催大会、各種講習会は予定どおり開催され、スケジュールへの影響はない。会員登録管理システム「Team JBA」や各都道府県協会の公式サイトも別基盤で運用されているため、通常どおり稼働している。なお、過去の大会記録について、JBA側は「歴代のウインターカップや天皇杯などの試合記録(ボックススコア)の元データはウェブとは別の社内環境に保管されており、今回の被害は受けていない」と説明。手元のデータをもとに、今後の新サイトでの再公開に向けた整理を進める方針だ。

JBAは現在、暫定トップページを開設して最低限の案内を行いつつ、公式SNSを中心とした情報発信で対応をつないでいる。島田会長は「これだけ全国でアタックが相次ぐ中、バックアップを別系統で保管していなかったリスク管理の甘さは否めず、再検討しなければならない課題です。ファンの皆様や競技者の皆様に情報収集の面でご不便をおかけすることをお詫び申し上げます」と頭を下げた。

新環境でのサイト再構築には一定の時間を要し、新たなサイトの立ち上げは11月中旬から12月頃を見込んでいる。島田会長が「一日も早いサイトの復旧を、と言いたいところですが、再構築を目指すことになります」と語ったとおり、バックアップデータの消失により以前の状態への完全復旧は見込めない状況になるという。ウインターカップ本戦や天皇杯・皇后杯などの重要イベントを控える中、混乱を最小限に抑え、段階的にどこまで情報発信基盤を整えられるかが今後の焦点となる。


現在JBAのオフィシャルサイト





文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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