月刊バスケットボール9月号

「攻防両面でチームへ貢献できる選手が自分の理想」仙台大学附属明成 #8 今野瑛心

大分県大分市のクラサス武道スポーツセンターで開催されている「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」第5週。10月10日の第3試合では、男子の福岡大学附属大濠高校(福岡県)と仙台大学附属明成高校(宮城県)が激突しました。
このカードは、今夏のインターハイ準々決勝の再戦。第4週を終えて4連敗と苦境に立たされていた仙台大学附属明成にとっては、浮上のきっかけをつかみたい一戦でした。また、コート上には、仙台大学附属明成の#8 今野瑛心選手(193cm/3年)をはじめ、福岡大学附属大濠の#6 中村文哉選手(190cm/3年)、#23 白谷柱誠ジャック選手(194cm/2年)、#14 本田蕗以選手(190cm/3年)と、男子U18日本代表としてアジアの舞台を経験したメンバーが顔をそろえ、試合前から大きな注目を集めました。

試合は立ち上がりから、インターハイ王者・福岡大学附属大濠が圧倒的な地力を見せ付けます。本田選手の高確率な3Pシュートで先制を許すと、白谷選手のアウトサイドシュートやインサイドでの力強いアタックを止められず、オフェンスリバウンドも立て続けに奪われます。仙台大学附属明成は積極的な選手交代でリズムを変えようと試みますが、福岡大学附属大濠の猛攻を食い止めることができず、第1クォーターで10-28と大量リードを奪われてしまいました。
それでも第2クォーター、仙台大学附属明成の意地を見せたのが、キャプテンの今野選手でした。機動力を生かしてカッティングからゴール下へ飛び込み、パスに合わせて鮮やかなレイアップを沈めるなど、オフェンスを力強く牽引。このクォーター単体では互角の攻防を演じ、28-45とわずかに点差を縮めて前半を折り返します。しかし、後半に入ると福岡大学附属大濠の強固なディフェンスと分厚い選手層の前に再び引き離され、最後は42-73で悔しい敗戦を喫しました。





仙台大学附属明成のメンバーの中で3年生は今野選手ただ一人です。下級生主体の若いチームをキャプテンとして一人で背負うプレッシャーは計り知れません。
「自分一人という状況は今年1年間ずっと変わらないところです。夏までは代表活動も多く、チームの練習に参加できる機会が限られていました。その中でも、自分が一番積極的に声を出して、チームを一つにまとめようという気持ちでやってきました。U18アジアカップが終わり、代表活動に一区切りがついたこの日清食品トップリーグからは、まずは自分が先頭に立って背中で引っ張らなければいけないと強く意識してプレーしています」
高校入学後にセンターへコンバートされた今野選手ですが、最高学年となった今季は指揮官である畠山俊樹コーチの構想のもと、再びアウトサイドでのプレータイムを増やしています。
「自分がアウトサイドに入ることでチーム全体のサイズが上がりますし、強みであるリバウンドを強化したかったのですが、今日は序盤から(福岡大学附属)大濠高校さんにリバウンドを奪われ、完全に相手のペースに持っていかれてしまいました。そこは大きな反省点です」
孤軍奮闘する今野選手を畠山コーチは以下のように評価します。
「今野は3年生一人でチームを引っ張り、新しいポジションに挑みながら必死にもがいています。自分のプレーでいっぱいいっぱいになりながらもチームを勝たせようとしてくれています。周りの2年生たちも、もっと彼を支えられるようになってほしいですね」
こうした状況を、今野選手自身も痛感しています。後輩たちの精神的なムラを埋めることの難しさを口にしながらも、主将としての責任から目を背けることはありません。
「みんな調子が良いときは声が出て元気になりますが、プレーがうまくいかないと下を向いてしまいます。そこは自分がしっかりと声をかけ、メンタル面をケアしながら良い状態に持っていかなければいけません」

苦境の中でも、今野選手が前を見据える姿勢は決してブレていません。自らが目指す究極の選手像について問われると、同校の偉大な先輩の名を挙げました。
「やはり目標としているのは八村塁選手です。チームが苦しい時間帯に確実にシュートを決め切り、ディフェンスでも相手のエースをしっかり止める。攻防両面でチームへ貢献できる選手が自分の理想です。今日は相手の厳しいマークに遭いましたが、タフショットでも決め切る力や、持ち味であるジャンプシュートの精度をさらに磨いていかなければいけません」
強豪相手に突きつけられた点差は小さくありませんが、チームとして収穫がゼロだったわけではありません。
「国スポ(国民スポーツ大会)の影響で、今週はチーム全体で練習できる時間が少ない中、新しく挑戦しているパッシングの連係で、下級生と良い呼吸で合わせられた時間帯もありました。ディフェンス、リバウンド、ルーズボールという明成の原点を徹底できれば、全国のトップレベル相手でも戦えることは去年証明されています。そこに新しい戦術のスパイスを加え、もっと強いチームになれるよう全員で前を向いて進んでいきます」
今野選手の揺るぎない覚悟とともに、仙台大学附属明成の挑戦は続いていきます。





「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」
・オフィシャルサイト
https://u18league.japanbasketball.jp/
・チケット情報はこちら
https://u18league.japanbasketball.jp/watching-top/ticket/
・観戦情報ページ
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[配信・放送]https://u18league.japanbasketball.jp/streaming/






文/飯田康二(月刊バスケットボール)、写真/山岡邦彦

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