「考えすぎずにやり切る」冷静なゲームコントロールと自らの得点でチームをけん引 / 東海大学付属福岡 #11 豊田麻莉

開始から見応えある展開となりました。ディフェンスを武器とする東海大学付属福岡に対して、「FIBA U18 女子アジアカップ2026」出場のためエースである#4 小池昌鈴選手を欠くものの、得点力が魅力の福井工業大学附属福井がどう対抗するかが注目された一戦。福井工業大学附属福井は、好プレッシャーからトランジションにつないで得点します。東海大学付属福岡は立ち上がりにミスが出たものの、#10 工藤結心選手(2年/172cm)を軸にオフェンスを組み立てると、#20 ニエ カディジャ ファール選手(3年/189cm)が得点。さらに司令塔の#11 豊田麻莉選手(3年/160cm)の3Pシュートも飛び出します。それでも福井工業大学附属福井はフリースローを着実にものにして追随し、第1クォーターは15-14と東海大学付属福岡が1点リードで終えました。
第2クォーター、ボールマンに素早く駆け寄って2人で対応するディフェンスを見せる東海大学付属福岡に対し、福井工業大学附属福井はテンポも落ちてズレが作れなくなりますが、フリースローでつなぎ、#16 姫路莉緒選手(3年/169cm)がミドルジャンパーで加点。僅差での競り合いとなりましたが、残り3分から流れを掴んだ東海大学付属福岡が34-29としてハーフタイムを迎えました。
”絶対に負けたくない”という気持ちが前面に現れる両チームは、第3クォーターに入っても一進一退の攻防を繰り返します。2ポゼッション差の中で試合は進み、東海大学付属福岡の6点リードで最終クォーターを迎えました。第4クォーター序盤、工藤選手が3Pシュートを射抜き、56-46とこの試合で最大のリードを作った東海大学付属福岡。直後に4点差まで詰められましたが、ここで豊田選手の3Pシュート、合わせのプレーからのレイアップをきっかけにリードを広げて勝負あり。このクォーターを22-7とし、僅差が続いた試合を東海大学付属福岡が73-52で勝利しました。

両チーム最多の38分19秒に出場し、7アシストと司令塔の役目を果たしながら、16得点、5リバウンド、4スティールをマーク。ターンオーバーはわずか1という抜群の安定感でチームをけん引したのが豊田選手です。第4クォーターで相手に迫られた場面での勝負を決める3Pシュートについて、本人は「迷ったらシュートが入らないので、しっかり打ち切るということを意識しました」と振り返ります。
1試合の中で起伏を作ることなく自然体でプレーする豊田選手。その集中力の根源には「感情的になってしまったらゲームコントロールができないので、逆にあまり考えすぎずにやることが大事だと思っています。引きずらないようにしています」という冷静な思考があります。この姿勢は3年生になってから宮﨑優介コーチに「考えすぎだ」と指摘されたことがきっかけだったと明かします。
宮﨑コーチは豊田選手の成長について、「1年生の頃から淡々とはしていましたが、今では堂々とコートに立ち続けられるガードとして自覚を持ってくれています。ディフェンスと、私が描くオフェンスを忠実にデザインしようという共通認識のもとでバスケを展開できていることが、彼女の自信になっていると思います」と高く評価しています。その上で、「彼女の中には色々な思考があり、コートの中でうまくいっていないと感じることもあるはずです。そこを言語化し、言葉でチームを落ち着かせたり、ゲームの流れを読んで味方に発信したりする力を求めていきたいです」と、さらなるゲームコントロール力に期待を寄せています。
今大会、ここまで開幕5連勝と無傷の東海大学付属福岡。豊田選手は「インターハイは優勝することができず、3冠は達成することができません。それでも、しっかり今大会を勝ち、ウインターカップでも優勝する。2冠を成し遂げたいです」と力強く誓いました。冷静にゲームを支配し、勝利への執念を燃やす司令塔の存在が、チームをさらなる高みへと導きます。

「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」
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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)、写真/山岡邦彦









