代えの効かない縁の下の力持ち「リバウンドやディフェンスで頑張らなければいけない」/柳ヶ浦 #20 山崎瑛介

両チームは第1クォーターから激しい攻防を繰り広げました。先手を取ったのは柳ヶ浦です。絶対的エースである#34 ファデラ ママドゥ選手(3年/207cm)を軸に攻め、7-0という好スタートを切ります。しかし、藤枝明誠は慌てません。タイムアウトで間を作ると、#12 永田貴陸選手(3年/193cm)、#5 端野恵音選手(2年/186cm)の3Pシュートなどですぐに相手を捉えます。結果、22-22と同点で1Qを終えました。
第2クォーター、藤枝明誠は強烈なボールマンプレッシャーをかけてターンオーバーを誘発。一旦10点差までリードを作りますが、柳ヶ浦にはファデラ選手がいます。果敢にゴールへとアタックし得点につなげて点差を縮めると5点ビハインドでハーフタイムを迎えました。
「ずっと学校での練習ばかりで9月は一度も遠征していませんでした。久しぶりがこの大舞台だったので、やはり硬かったですね。だからこそ『当たり前のことをしっかりやろう。まだチャンスがあるぞ』と声を掛けました」と明かしたのは柳ヶ浦の中村誠コーチです。前半は予期せぬミスも出ていたチームでしたが、第3クォーターは正に地に足が付いたように本来のプレーを見せます。#4 天野大空郎選手(3年/180cm)のレイアップでクォーター初得点をマークすると、ママドゥ選手がペイントでの得点に加えて3Pシュートを沈めるなどけん引。64-63と1点上回って4Qを迎えました。
しかし、僅差の展開は続きます。ここまで追いついても中々リードできない我慢の展開が続いた柳ヶ浦でしたが、クォーター序盤に#14 古閑蓮選手(3年/186cm)の連続3Pシュートを成功させ、5点のリードをつけます。しかし、藤枝明誠も#13 渡邊聖選手(3年/180cm)のプルアップ3Pシュートなどでばん回し、77-77と同点で残り3分を迎えました。

最後までどちらが勝つかわからない。そんな展開を制したのは藤枝明誠でした。残り1分半、柳ヶ浦のママドゥ選手がドライブを仕掛けてフリースローを得たかに見えましたが、オフェンスファウルに。ここでポゼッションを得た藤枝明誠は、#11 福本彩人選手(2年/185cm)がコーナーから3Pシュートを射抜きます。柳ヶ浦はママドゥ選手がすぐさまレイアップで得点し、1点差にしましたが、競り合いもここまで。藤枝明誠が86-83で大接戦をものにしました。
惜しくも敗れた柳ヶ浦ですが、初参戦の大舞台で確かな爪痕を残しました。大黒柱のママドゥ選手は、チームが奪った83点の約半分となる44得点を挙げた上に、23リバウンド、5スティール、4ブロックというモンスタースタッツを残しています。そのママドゥ選手が存分にプレーできるのも、周囲を固める選手の助けがあるからです。中でも大きな働きを見せていたのが、山崎選手です。体を張ってリバウンドやルーズボールに飛び込み、声を出し、懸命にディフェンスで奮闘。中村コーチは「本当に縁の下の力持ちという存在で、スタッツに残らないところで頑張る、体を張る選手で代えの効かない選手です」と最大級の賛辞を贈っています。
当の山崎選手は自らの役割について「自分はそんなに点を取れないので、リバウンドやディフェンスで頑張らなければいけないと思っています」と語ります。大分県内の別府北部中出身で、部員の中でも数少ない地元選手である山崎選手について、中村コーチは「入学してきた当初は無い無い尽くしという感じでいたが、3年間で一番成長を見せてくれた選手だと思います」と説明します。
初戦は悔しい敗戦となりましたが、山崎選手は強豪・藤枝明誠との対戦を通じて「ゲームに対しての向き合い方を感じられました。見習うべきだと感じました。次戦はもっとしっかり戦いたいです」と闘志に火が付いたようです。
強豪ひしめく舞台で泥臭く戦い抜く彼の存在が、柳ヶ浦をさらなる高みへと押し上げるに違いありません。

「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」
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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)、写真/吉田宗彦








