月刊バスケットボール9月号

Bリーグ

2026.09.18

「B.LEAGUE U18 STATS REPORT 2025-26 SEASON」公開、データでひもとくユースの現在地と課題

データ分析で分かる現在地


B.LEAGUEは9月17日、「B.STATS LAB」の協力による「B.LEAGUE U18 STATS REPORT 2025-26 SEASON」を公開した。本レポートは、2021年の設立以来蓄積されてきたB.LEAGUE U18各大会の公式記録を多角的に分析し、特徴や課題を可視化したものだ。対象期間は2021-22シーズンから2025-26シーズンまでの5年間となっている。

 ■B.LEAGUE U18 STATS REPORT 2025-26 SEASONレポート
https://www.bleague.jp/files/user/U18_stats_report_2025-26.pdf

B.LEAGUEユースという性質上、選手が入れ替わるため一概には言えないものの、レポート内で定着しつつある特徴として挙げられたのが、「効率重視のショットセレクション」「ハイペースなオフェンス」「オフェンスリバウンドの強さ」だ。
例えば、オフェンスリバウンド獲得率(ORB%)は「B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE」で33.6%、「REGIONAL LEAGUE」で33.9%を記録している。B.LEAGUEのトップチーム(B1)の平均が31.8%であることを踏まえると、大会のカテゴリーを問わず、ユース世代全体でオフェンスリバウンドへの意識が極めて高いことが分かる。 また、1試合の平均ポゼッション数を示す「PACE」を見ても、ELITE LEAGUEにおける直近の数値(77.9)はB1(1位:長崎77.7〜26位:群馬69.7)と比較して依然として高い水準にあり、プロ以上にアグレッシブでハイペースな展開を好む傾向がデータにも表れている。

また、オフェンシブレーティング(100ポゼッションでの平均得点)のランキングでは、1位の名古屋D U18が111.8という数値をたたき出した。以下、千葉J U18(103.5)、滋賀 U18(99.9)、北海道 U18(97.0)、SR渋谷 U18(95.3)と続いており、上位進出チームはいずれも高いオフェンス力を備えていることがデータからも裏付けられている。

より詳細なスタッツに目を向けると、プレーの質における傾向も見えてくる。ペイント内のシュート試投エリア分布においては、2022-23シーズン以降、ノーチャージ・サークル内の割合が減少し、サークル外からのシュート割合が増加傾向にある。2025-26シーズンにはサークル外が63.1%を占めるまでになった。サークル外(44.0%)やノーチャージ・サークル内(63.2%)の成功率自体はそれぞれ向上しているものの、ペイント内全体としての成功率の上昇は前年比僅か0.4%増(51.1%)にとどまっており、リム周りまで深く攻め込むフィニッシュ力は取り組むべきポイントになりそうだ。

3Pシュートに関しても興味深いデータがある。B.LEAGUEユースが放つ3Pシュートの大部分はキャッチ&シュートであり、その成功率は比較的安定している。一方でドリブルからの3Pシュートは成功率の変動幅が大きく、打てる選手も限られているのが現状だ。自らクリエイトしてシュートを沈める能力を持つ選手がさらに増えれば、オフェンスの質は大きく変化しそうだ。

試合展開の面では、ELITE LEAGUEにおいて平均リードチェンジが多く、拮抗した試合が多いことが示されている。また、タイムシェアの観点では、スターターのプレータイム割合が67%前後で推移しており、育成の場としてベンチメンバーを起用しつつも、近年は主力選手への集中がやや強まっていることが明らかになった。



他カテゴリー比較で見えた課題


今回のレポートの興味深い点は、B.LEAGUEユース内の分析にとどまらず、「U18日清食品トップリーグ」や「海外ユース」といった他カテゴリーとの比較を行っていることだ。

ディフェンスによって展開がガラリと変わるため単純な比較は難しいが、数字上、高校バスケのトップレベルが集うU18日清食品トップリーグとの比較では、2Pシュート成功率においてB.LEAGUE U18 ELITE LEAGUEは46.7%と成功率が上回っている(U18日清食品トップリーグは45.1%)一方で、3Pシュート成功率では25.3%対28.7%と下回る結果となった。この傾向は海外ユースとの比較でも顕著に表れている。2026年2月に開催された「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」などを含む対戦データを抽出すると、B.LEAGUEユースの3Pシュート試投割合が56.1%と非常に高いのに対し、海外ユースは31.1%にとどまっている。しかし、成功率を見るとB.LEAGUEユースの26.7%に対し、海外ユースは32.7%となっている。

レポートでは、B.LEAGUEユースの特徴を維持しつつ、3Pシュートの成功率やリム周辺でのフィニッシュ力を高め、いかにオフェンス効率を向上させていくかが今後の継続的なテーマとなるとしている。

U22枠契約選手の成長の軌跡


さらに本レポートでは、ユース優先交渉権を経てトップチームとU22枠での契約を果たした3選手(西村優真/北海道、阿部真冴橙/仙台、若野瑛太/名古屋D)のスタッツ推移も詳細に分析している。西村は、ディフェンス面での成長が顕著だった。特にスティールとブロックの数値を年々伸ばしており、2025-26シーズンの平均スティール数は3.1を記録。速攻につなげる大きな武器を磨き上げた。続いて阿部は、持ち前の得点力に加えてプレーメイク面での進化が見られた。平均アシスト数を着実に伸ばす一方でターンオーバーを減少させており、エースとしてだけでなく司令塔としての幅を広げている。そして若野は、3Pシュートの試投数と成功率を劇的に向上させた。平均9.1本の3Pシュートを放ちながら成功率を34.5%まで引き上げ、インサイドでのシュート成功率も60%を超えるなど、内外角問わず得点できる絶対的なスコアラーへと成長した。

2016年、B.LEAGUE開幕とともにユースチーム設立が推奨され、B.LEAGUEユースはその数年後から本格的に稼働してきた。ここから、どんな変化が起きていくのかは興味深い。明日9月19日から「インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2026-27」も開幕する。高校バスケとも異なるB.LEAGUEユースならではの戦いにも注目していきたい。



■インフロニア B.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2026-27 大会概要
2026年6~8月に開催された「インフロニア B.LEAGUE U18 REGIONAL LEAGUE 2026」において、各地区の上位2チーム(計10チーム)および各地区3位チームによる決定戦を勝ち上がった2チームの計12チームが、本大会「インフロニアB.LEAGUE U18 ELITE LEAGUE 2026-27」へ進出いたします。本大会では、12チームによる1回戦総当たりのリーグ戦を実施いたします。

【開催日程】 2026年9月19日(土)~21日(月)(セントラル開催分)、2026年10月~2027年2月
【会場】駒沢オリンピック公園総合運動場体育館(セントラル開催分)、各クラブのホーム (1地区制)
【出場チーム】
秋田 U18、茨城 U18(初出場)、千葉J U18、東京SR U18、U18 川崎(初出場)、横浜BC U18、富山 U18、三河 U18、名古屋D U18、滋賀 U18、福岡 U18、琉球U18
(計12チーム)
【特設サイト】https://www.bleague.jp/u18-elite/2026-27/



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

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