月刊バスケットボール9月号

Bリーグ

2026.09.13

神戸ストークス、B. LEAGUE PREMIER開幕間近の手応え

神戸ストークスが「りそなグループ B2 PLAYOFFS 2025-26」を制してから3ヵ月、激戦が繰り広げられた本拠地GLION ARENA KOBEにバスケットボールの熱が戻ってきた。今月に開幕を迎えるB.LEAGUE PREMIERに先駆けてチームは822日、23日の両日に「KOBE RISING -2026-」を開催し、千葉ジェッツ、レバンガ北海道、島根スサノオマジックが集結。神戸市の新たなランドマークで3試合が繰り広げられた。


9年ぶりに国内トップステージへ挑む神戸は初日の千葉戦に100-95で敗れ、2日目も北海道相手に81-69で負けた。ただ、新しいメンバー構成になってからの練習は数回のみで、大黒柱のヨーリ・チャイルズが欠場。対戦相手も日本代表招集などの事情によりフルメンバーは揃わず、目先の勝敗以上に内容が重視されるシリーズだった。参加した選手個々の仕上がりは順調なようで、新チームの船出を見守ったブースターの声援も自ずと高まり、コート内外に「本番さながら」が感じられた。



今季の神戸には6人の選手が新たに加入し、ロスターのほとんどが入れ替わった昨季と同様に、まずはディフェンスの練習に時間を割いているようだ。就任2年目の川辺泰三HCは試合後の総括で、守備とコミュニケーションについて多く言及している。3桁失点を喫した千葉戦は「もう1回チームビルドの時期で、ボールマンプレッシャーやリバウンドなど言い続けてきたことが続けられず、セカンドチャンスでの失点が多かった」と振り返った。オフェンスでも「簡単なレイアップを何本も落としたりターンオーバーになったけど、向こうはやっぱりそういうところを決め切ってくる」と強豪との差を感じさせられる場面もあった。それでも8月下旬の時点では「誰と誰をどう組み合わせ、新しい選手はどういうことができるのかを見ている状況」であるため、新加入選手の戸惑いについても「そこはどうしようもない。攻守のコンセプトについての理解は時間がかかる」と織り込み済みだ。

そして、何もかもが手探りだった昨年とは違うようで「全部、理由も原因も分かっている」とも言う。実際、2日目は異なる相手とはいえ失点を大きく減らして「ボールマンプレッシャーとトランジションディフェンスは相当良くなった」と改善を評価。本番前の試金石になった2試合について「早めにプレミアのボールプレッシャーやリバウンドの強さを体感できたのはすごく大きい」と語り「細かいところを修正して、徹底できたら初戦の5点差も2日目の10点差以上も何とかなると思う。成長が見える2日間だったなと思います」と総括した。


再びチーム構築に取り組む川辺HC

守備とコミュニケーションに関する意識は選手たちも同じ。昨年に続いてキャプテンを務める寺園脩斗には、チームの目指すバスケットボールが染み付いていているようで「ボールマンプレッシャーやリバウンド、ルーズボールで負けないところを泥臭くやっていきたい」と新シーズンへの豊富を語っている。「去年以上にチームとしてコミュニケーションをとりながらやっていく必要がある」と言うように、今回の実戦2試合ではドライブとシュートが控え目で、選手個々の動きの把握を重視していたようだ。「外国籍のオン・ザ・コートが(Bプレミアでは)フリーになり、日本人同士よりもコミュニケーションの質がどうしても落ちると思うので、そこもうまくやってもらえないと厳しくなる。(外国籍選手は2試合で)コミュニケーションミスが出ていたので、そこを改善するだけでも失点は減る」とも展望している。

また、B1での経験も豊富な司令塔は昨季の連勝街道中から口にしていたように「そう簡単にB1だったチームに勝てると思っていない」と、強豪との力関係も口にした。改めて「自分たちのやるべきことを40分間やり切らないと勝てない」と気を引き締めている。自身2年ぶりのトップリーグでは、どのようにチームを導くだろうか。


キャプテンの寺園は「コミュニケーションがより重要になる」と語る

新加入の選手たちにとっても、着実に連携を深められる実践経験の場になったようだ。昨年に長崎ヴェルカでチャンピオンに輝いた山口颯斗は、まず新しい本拠地について「凄くいいアリーナ」と前置きした上で「後半は攻める時に(巨大な)モニターが後ろにあるので、フリースローの時などは慣れる必要がある」と適応の必要を口にした。オールラウンドにチームに貢献できるタイプだけに「コミュニケーションは絶対大事だと思いますし、そういう面を今までいたチームでも学んできた。外国籍選手と話すというのも重要視している」と新天地へ馴染もうとしている。


山口は王者のメンタリティーをもたらせるか?

チーム内のコミュニケーションについては、控えPGを任されそうな小川麻斗の存在も鍵を握る。コーチ陣とは「チャレンジの時期」と話していて、古巣でもある千葉との試合後には「ディフェンスで練習をしてきたことができていなかった」と反省しつつも「そこをしっかりやれていれば勝てた。95点取れたのは自信にもつながった」と手応えも得た。新チームでの外国籍選手は国籍がさまざまだが「通訳や日本人でも喋れる選手もいるので」と問題もなさそうで「コミュニケーションを多く」とりながら連携を深めて開幕を迎えるつもりだ。

中野司はマッチアップの関係もあり出場時間は伸びなかったが、2試合ともスタートで起用されるなど期待は高く、持ち前のシュート力でチームの得点力を伸ばせる存在だ。古巣の北海道戦を終えて「イージーなレイアップやリバウンドで苦戦したので、まだまだ改善しないといけない点が見えた。そういう意味で収穫が多い」と振り返った。また、昨季は福島ファイヤーボンズの主力として5月にB2ファイナルで戦った神戸を「(チームが重視する)エフォートやインテンシティを体現できる選手が多いので、まとまった時に楽しみになるチーム」とも語っている。地元・兵庫県のチームへの加入に「ホームの感じはありますけど、ホッとしている暇はないので。チャレンジの気持ちでただいまと言いたいです」。


小川は古巣・千葉Jとの対戦でチームに対する自信を深めたようだ

プレシーズンゲームにもかかわらず「KOBE RISING -2026-」にはビジターのブースターも多く会場の席を埋め、その様子に川辺HCは「Bプレミアに来たんだ」と胸中を語った。昨夏から始まったイベントは「自分たちのためにもBリーグのためにもなっているし、地域やファンの方々のためにもなっていると思う。もっと盛り上げてお祭りのようになっていったらいいなと思うし、これも歴史が積み上がっていけばいいなと思います」。夏から秋へと移り変わろうとする季節、926日(土)にGLION ARENA KOBEで神戸ストークスのB.LEAGUE PREMIERが幕を開ける。

文・写真/藤原彬

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