月刊バスケットボール9月号

女子日本代表、ハンガリーに敗戦。ベスト8進出ならず【女子W杯2026】

因縁の相手との大一番


ドイツで開催されている「FIBA女子ワールドカップ2026」は、決勝トーナメント進出をかけた大一番を迎えた。女子日本代表(FIBAランク10位)は現地9月8日、グループB2位のハンガリー(同19位)との準々決勝進出決定戦に臨んだ。

日本はグループAの初戦でマリを下して白星発進したものの、その後は開催国ドイツのフィジカルなディフェンスに苦しみ、続くスペイン戦でもターンオーバーが響いて連敗を喫した。グループ3位で決定戦へと駒を進めたが、対戦相手のハンガリーは今年3月の最終予選でもリバウンドで劣勢に立たされ敗れている因縁の相手である。スペイン戦後、コーリー・ゲインズHCが「正しいやり方でプレーしています。適切な激しさと力強さを持って試合に臨めば、私たちはできるはずです」と立て直しに自信を見せれば、キャプテンの#52 宮澤夕貴も「この日本のチームでできる最高のバスケットをハンガリーにぶつけたいと思います」と力を込めた。

日本のスタメンはスペイン戦と同じ#26 田中こころ、#27 林咲希、#75 東藤なな子、#3 馬瓜ステファニー、#10 渡嘉敷来夢である。ハンガリーは、ファーストオフェンスで3Pシュートを決めると、ペイントアタックから連続得点。日本は開始2分で0-7というスタートになった。日本の初得点は#3 馬瓜。開始2分半、右ウイングからドライブを仕掛けてリバースレイアップを決めた。さらに#75 東藤も同じような形でレイアップを成功。日本は3Pシュートを積極的に放つが、リングにはじかれてしまう。一方、好プレッシャーをかけて追加点を防ぎ、開始5分で4-11となった。

その後、#13 町田瑠唯がコートに入るとリズムが良くなり、#52 宮澤、#6 後藤音羽が加点。点差を詰めたが逆転には至らない。#23 山本麻衣が射抜いたものの、3Pシュート成功は1本のみ(試投数7)。12-20とビハインドで1Qを終えた。

2Q序盤、ハンガリーは195cmの#14 Dorka JUHASZのインサイドに続いて3Pシュートで加点。2桁差にリードを拡大した。対する日本は#26 田中の3Pシュートが決まると、フリースローで加点。それでも2桁差は変わらず。しかし、粘り強いディフェンスを見せると、残り5分を切ってから流れをつかむ。トランジションから#13 町田がボールを運び、#3 馬瓜が3Pシュートを成功。さらに#8 髙田真希のフェイドアウェイシュート、#23 山本のフリースロー3本で加点した。残り1分の速攻では#27 林がバスケットカウントを決めて4点差としたが、ファウルを受けた際に転倒し、右腕を痛めてコートを後にした。その後、日本は#75 東藤もバスケットカウント、さらに#10 渡嘉敷のフリースローを決めて34-34と追いついたが、ブザービーターとなる3Pシュートを射抜かれ3点差でハーフタイムを迎えた。前半、日本は2Pシュートが6/19(31.6%)、3Pシュートが4/14(28.6%)をマーク。リバウンドは19-25と健闘。相手から奪った8ターンオーバーから11得点を挙げた(日本は5TO)。



後半も流れを引き寄せられず


3Q、日本は開始4分間得点が奪えず。トランジションからのオフェンスで#3 馬瓜がレイアップを決めたものの、再び10点差のリードを作られた。
それでも、残り5分余り、コーリー・ゲインズHCがタイムアウトをコールした。この後、#2 今野が#52 宮澤、#13 町田のパスを受けて得点。さらに残り1分半を切ったところで、オフェンスリバウンドからのキックアウトで#23 山本が3Pシュートを成功。しかし、このクォーターだけで11-21と引き離され、45-58で4Qを迎えることになった。

会場に駆けつけたファンからの声援を受ける日本は4Q序盤、#13 町田がパスで#8 髙田、#75 東藤の得点を演出した。さらに#13 町田、#2 今野の3Pシュートも射抜いたが、ハンガリーも着実に得点。残り5分を切ったところで57-71となった。
それでも日本は残り4分、スティールした#2 今野のアシストで#52 宮澤が得点。さらに#26 田中がフリースローを成功させ、残り3分で12点差まで迫った。しかし、ハンガリーは#21 Reka LELIK、#9 Agnes STUDERがフリースローで着実に加点してリードを拡大。日本は63-84で敗退した。

日本は#26 田中がチームトップの11得点をマークし、12選手中11選手が得点。2Pシュートが41.7%(15/36)と後半に確率を上げたものの、3Pシュートは21.2%(7/33)と低調だった。リバウンドは11本少ない35本、ターンオーバーは17本を誘発し、そこから20得点を挙げた(日本はTO13本)。勝利したハンガリーは2Pシュートが54.8%(17/31)、3Pシュートは44.0%(11/25)と高確率でシュートを決めた。

ハンガリー 84
|20|17|21|26|
|12|22|11|18|
日本 63





■2026年度バスケットボール女子日本代表チーム
「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」大会参加メンバー

【スタッフ】
チームダイレクター: 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ: コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ: 伊藤 恭子(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングスタッフ: 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
プレーヤーディベロップメントコーチ: ブライアン・フィンリー(東京サンロッカーズ)♦︎
コーチ: ジャレン・スキート(ENEOSサンフラワーズ)
通訳: 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 栗若 伸一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(ー)
アスレティックトレーナー: 宮口 佳子(S-Life はりきゅう院)
アスレティックトレーナー: 千葉 奈々(横浜市スポーツ医科学センター)
チームマネージャー: 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
チームドクター: 山口 玲(北水会記念病院/茨城ロボッツ)
チーム広報: 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントチーム広報: 荒井 愛海(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【選手】12名
#2 今野 紀花(SG / 179cm / 26歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#3 馬瓜 ステファニー(PF / 182cm / 27歳 / Meins Avenida)
#6 後藤 音羽(SF / 178cm / 19歳 / 東京医療保健大学2年)
#8 髙田 真希(C / 185cm / 36歳 / デンソー アイリス)
#10 渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 35歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
#13 町田 瑠唯(PG / 162cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#14 朝比奈 あずさ(C / 185cm / 22歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
#23 山本 麻衣(PG / 163cm / 26歳 / Las Vegas Aces)★
#26 田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#27 林 咲希(SG / 173cm / 31歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#52 宮澤 夕貴(PF / 183cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#75 東藤 なな子(SG / 175cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)

【リザーブ選手】
薮 未奈海(SF / 178cm / 21歳 / デンソー アイリス)

※平均(Average):177.6cm、27.8歳(リザーブ選手除く)
※♦︎:第5次強化合宿(国内)のみ参加
※★:『FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026』大会から合流
※年齢・所属は2026年8月20日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
 
■FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026 大会概要
【大会名】FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026
【英語表記】FIBA Women’s Basketball World Cup 2026
【大会期間】2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】ドイツ・ベルリン
【試合会場】ベルリンアリーナ、マックス・シュメリング・ハレ
【大会方式】
 ・4チーム×4グループによる予選グループフェーズを行い、上位1位が準々決勝進出。
 ・グループAとグループB、グループCとグループDの隣り合うグループの2位vs3位で争う準々決勝進出決定戦の勝者がファイナルフェーズ(決勝トーナメント)へ進出。
【大会公式サイト】https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-womens-basketball-world-cup-2026
【組み合わせ】 (16か国) ※FIBAランキング:2026年4月1日時点
グループ A:日本(10位)、スペイン(6位)、ドイツ(11位)、マリ(18位)
グループ B:ハンガリー(19位)、韓国(15位)、ナイジェリア(8位)、フランス(2位)
グループ C:ベルギー(5位)、オーストラリア(3位)、プエルトリコ(13位)、トルコ(16位)
グループ D:アメリカ(1位)、チェコ共和国(17位)、イタリア(14位)、中国(4位)

【試合スケジュール】
[グループフェーズ]
2026年9月4日(金) ◯102-97 マリ
2026年9月5日(土) ●58-74 ドイツ
2026年9月7日(月) ●59-79 スペイン
[準々決勝進出決定戦]
2026年9月8日(火) ●63-84 ハンガリー

▼日本の過去成績(2010年から5大会連続出場・通算15回出場)
・前回大会(2022年)9位
・過去最高位(1975年)準優勝
※翌1979年大会の6位以降、決勝トーナメント(ベスト8)進出なし



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

PICK UP

RELATED